この記事にたどり着いた人は下記に当てはまるのではないでしょうか?

  • 自分はHSPだと自覚している
  • どこかの組織に所属して働いている
  • 日々の仕事でストレスを抱えている

この記事では会社勤めが辛いと感じているHSPの人に向けて、なぜ辛くなるのか、どうすれば辛さが軽減するのかを解説します。

HSPが会社勤めで辛くなる理由

HSPの人が会社勤めで辛くなる理由は以下のとおりです。

  • 他の人の顔色が気になる
  • 責任やプレッシャーを感じやすい
  • 他人のペースに合わせるのが辛い
  • 雑音や周囲の会話で仕事に集中できない
  • 拘束時間が長すぎる

他の人の顔色が気になる

HSPの人は、他の人が気づかないような些細な感情の変化もキャッチしてしまいます。周囲が気づかないような顔色の変化も、HSPは瞬時にキャッチできるのです。これは、しばしば長所として発揮されることも多いでしょう。

しかし共感力が高いゆえに、他の人のネガティブな感情も自分のことのように捉えてしまい、「何か悪いこと言ったかな?」と不安になってしまいます。

HSPの人は、周りの人の感情の変化に影響を受けすぎてしまい、とても疲れてしまうのです。

責任やプレッシャーを感じやすい

HSPの人は、責任感が強く、完璧主義の傾向を持つ人が多いです。仕事に対して真摯に取り組むため、周囲の評価は高いのですが、少しでもミスをすると自己評価を下げてしまう傾向があります。

そのため、周囲からの期待や評価に敏感になり、プレッシャーを感じやすく、常に緊張状態に陥ってしまいます。

他人のペースに合わせるのが辛い

HSPの方々は、集中力が高く、自分のペースで物事にじっくりと取り組むほうが実力を発揮できます。しかし会社では、多くの場合、チームで仕事を進めることが求められ、他人のペースに合わせながら仕事をこなす必要があります。

自分のペースで仕事を進めたいHSPの方にとっては、この点が大きなストレスとなりえます。

雑音や周囲の会話で仕事に集中できない

HSPは他の人に比べて五感が敏感です。オフィスでは外から聞こえる雑音や他の人の会話など、耳から入ってくる情報が非常に多いため、HSPの特性を持つ人は疲れてしまいます。

また、パソコンを使う職場では、モニターが反射しないようにブラインドを閉め切っていることもよくあります。雑音だらけで閉鎖的な環境は、HSPにとっては大きなストレスです。

仕事には直接関係ない外部環境の影響で、HSPの人は大きなダメージを負うことは珍しくありません。しかも周囲からはあまり理解されないため、余計に孤独感を深めてしまうのです。

拘束時間が長すぎる

短くても1日8時間を毎日会社で過ごすことは、HSPの人にとって大きな負担です。なぜなら繊細さゆえに、周囲から受け取る情報が多すぎて疲れてしまうからです。

しかし、日本の会社勤めでは1日8時間労働が一般的で、しかも残業などで実際の拘束時間はもっと長くなります。多くの人がそつなくこなす「オフィスで週5・8時間労働」が、HSPの人にとっては苦行といえるでしょう。

しかも他の人は難なくできることが、自分にとっては難しいことだという状況に、自己嫌悪に陥りやすくなります。

会社勤めが辛いHSPにおすすめの働き方

会社勤めが辛いHSPの人におすすめの働き方を紹介します。

在宅勤務可能な会社で働く

在宅勤務ができる会社で働くことは、HSPの人にとって、安定した収入を得つつ自分の心を守れる働き方でしょう。2020年に発生した新型コロナの影響もあり、在宅勤務を取り入れる会社は増えています。

在宅勤務ができる仕事としては、以下のような種類があります。

在宅勤務可能な仕事の例
  • データ入力
  • Webライティング
  • Webデザイン
  • プログラミング
  • 動画編集
  • マーケティング  など

派遣社員になる

派遣社員もHSPの人に向いている働き方です。

HSPは共感性の高さから、同じ場所で長く働き続けることで精神的な負荷を感じる人が多くいます。気持ちが辛くなって職を転々としているHSPも少なくないのではないでしょうか。派遣社員であれば、契約期間に合わせて職場を変えられるため、精神的な負担は少なくなります。

また、派遣社員として働くことで、正社員として働く前に、企業の雰囲気や仕事内容を事前に知ることができるというメリットもあります。

パート・アルバイトになる

パート・アルバイトの最大のメリットは、仕事における責任を軽減できることです。パートやアルバイトだからといって責任がまったくないわけではありませんが、正社員と比べると責任は軽くなるでしょう。

自分のライフスタイルに合わせて働き方を選ぶことができるという点でも、HSPの人にとって魅力的な働き方です。勤務時間や曜日を自由に調整できるため、プライベートの時間も確保しやすくなります。

フリーランスになる

フリーランスは、自分のスキルや経験を活かして独立して働くという点で、非常に魅力的な働き方です。

しかし、フリーランスになるためには、ある程度のスキルや経験が必要となります。また、収入が安定しないというリスクも伴います。そのため、フリーランスになる前に、しっかりと準備をすることが大切です。

フリーランスとして活かせそうなスキルがある場合は、まずは副業としてチャレンジすることをおすすめします。

それでも会社勤めを続けたいときの対処法

会社勤めが辛くても、すぐに辞められなかったり、事情があって会社勤めを続けないといけなかったりする人は多いと思います。

ここでは、会社勤めを続ける際に自分の心身を守る対処法を解説します。ぜひ参考にしてください。

刺激の量を調整する

HSPの人が会社勤めをする上でもっとも重要なのが、入ってくる刺激を意図的に減らすことです。具体的な対策方法としては、以下のようなものがあります。

外的刺激の緩和方法
  • 視覚→周りが見えすぎないようにメガネをかける、メガネの度を下げる、寝るときにはアイマスクをする
  • 聴覚→イヤホンをして好きな音楽を聴く、耳栓を付けて雑音をシャットアウトする
  • 触覚→肌触りのいい素材の服、締め付けすぎず、心地よいと感じるものを身に付ける
  • 嗅覚→マスクで鼻を覆って隠す、お気に入りの香りのアイテムを持ち歩いて時々香りをかぐ

引用:サワイ健康推進課|心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません

また、噂話には深入りしないなど、自分の心を守ることも重要です。

きちんと休息を取る

休みの日はきちんと自分の時間を持ちましょう。繊細なHSPの人はつい仕事のことを引きずってしまいがちなので、なかば強制的に休息できる施策を取ることが重要です。

読書や映画鑑賞など自分の世界に没頭できるものがよいでしょう。アウトドア派の人であれば、自然の中で過ごすこともおすすめです。

日々の生活でも、十分な睡眠やバランスの取れた食事、適度な運動を取り入れ、心身のベースを整えることも忘れないようにしましょう。

自分に合う会社に転職する

今の会社が向いていないのであれば、思い切って自分に合う会社に転職するのもよいでしょう。環境を変えることで根本的な解決につながります。

転職をする際にもっとも気をつけなければいけないことは、とにかく焦らないことです。

辛い気持ちが強いときは、今の環境を変えたい一心で転職を焦ってしまうことがよくあります。焦った転職はだいたい失敗に終わるため、少なくとも以下の項目は明確にしてから転職をするようにしましょう。

転職を検討するときの確認事項
  • 日々の生活費はいくら必要か
  • 現在の貯金額は
  • 今回どのような目的で正社員を辞めるのか
  • 転職先に求めるポイントは何か

雇用形態を見直す

給料は減ってしまいますが、正社員以外の働き方を視野に入れると、より柔軟な働き方が実現できます。たとえば派遣社員やパート・アルバイトとして働くことで、勤務時間や業務負荷を軽減できるでしょう。

収入とのトレードオフになってしまいますが、自分の状況に合わせて柔軟に選ぶようにしましょう。

HSPの働き方についてよくある質問

最後に、HSPの働き方についてよくある質問をまとめました。

フリーランスになるときの注意点は?

フリーランスになるときは、いきなり全収入をフリーランスから得られる収入に切り替えないことが大切です。

フリーランスになって最初のうちは、どうしても受注が少ない傾向にあります。現在勤めている会社の副業として始めるか、アルバイトなど他に収入源を得た状態で受注を取るようにしましょう。

HSPに向いている仕事って?

HSPに向いている仕事は一般的に「ノルマに追われない」「静かな環境で働ける」「仕事にじっくり向き合える」といった特徴があります。

HSPそれぞれにも個性があるため一概にはいえませんが、以下のような仕事はHSPの人に向いている可能性が高いでしょう。

HSPに向いている仕事
  • 事務職
  • プログラマー
  • 地方公務員
  • カウンセラー
  • セラピスト

会社勤めが辛いのは甘えではない!自分をいたわる働き方を見つけよう

真面目なHSPの人は「会社勤めが辛いなんて自分は甘えているのではないか」と自分で自分を責める傾向にあります。しかし人には向き不向きがあり、不向きだからといって甘えではありません。

大切なことは、自分に合った働き方を見つけること。自分自身の置かれている状況と自分の特性、これからの人生を俯瞰して見つめ、なるべく心地よく働ける働き方にたどりついてほしいと思います。