転職活動中、気になるのが「ブランク期間」の存在ですよね。とくに「ブランク期間何もしていなかった」と感じる方は、不安が募るかもしれません。
この記事では、ブランク期間に何もしていない人でも転職を成功させる方法を紹介します。「ブランク期間があると不利になるのでは?」「面接で聞かれたらどう答えればいいの?」という悩みを抱えている方はぜひ読んでみてください。
転職でブランク期間は不利になる?
そもそも、転職活動においてブランク期間は不利になるのでしょうか。
ブランクが半年程度なら気にされない
結論からいうと、半年程度のブランクであれば気にされない場合がほとんどです。これは、自己都合による失業手当(失業保険)の給付システムに関係があります。
自己都合における失業手当は、離職日から7日の待機期間に加えて、2〜3か月の給付制限期間を過ぎてから給付されます。離職後3か月程度を待って就職活動を始めることを考えると、半年程度のブランクは許容されるケースがほとんどです。
企業によってはブランクを気にしない
人材不足が深刻な企業や業界では、ブランクを気にせずに、熱意と人柄で採用を決めるケースも多くあります。ブラック企業に気をつける必要はありますが、極端な話、ぜいたくを言わなければ働く先はある状況です。
理由なきブランク期間に企業が抱く印象
理由なきブランク期間がある人に対して企業が抱く印象について解説します。客観的な懸念を把握することで、面接や履歴書対策につながります。
- すぐ辞めるのではと警戒される
- 無計画な人と思われる
- トラブルを起こしそうと警戒される
すぐ辞めるのではと警戒される
ブランク期間があると、「なぜこの期間働かなかったのか」という疑問が自然と浮かびます。特に理由が明確に説明できない場合、「この会社でもすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かれる可能性が高いです。
企業は、採用に時間とコストを費やすため、長く働いてもらえる人材を求めています。
無計画な人と思われる
ブランク期間があるということは、その間に何をして過ごしていたのか、という点が注目されます。明確な目標や計画性なく過ごしていたと判断されると、「計画性がない」「目標意識が低い」という印象を持たれてしまう可能性があります。
トラブルを起こしそうと警戒される
企業は、チームワークを重視するため、トラブルメーカーになりそうな人材は避けたいと考えています。
ブランク期間の過ごし方によっては、「何か問題があったのではないか」と疑われることもあります。ブランクに明確な理由がない場合、人間関係のトラブルや個人的な問題を抱えているのではないかと警戒されるかもしれません。
ブランク期間に何もしていない人が転職を成功させるポイント
面接には堂々とした態度で臨む
ブランク期間があったとしても、面接では堂々とした態度で臨むことが大切です。自信を持って自分の強みや経験を語ることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。
ブランク期間があったからこそ得られたもの、たとえば自己成長や新たな目標設定など、ポジティブな側面をアピールしましょう。自信がない場合は、事前にしっかりと準備をして、自分の言葉で話せるようにしておくことが大切です。
空白期間に嘘をつかない
空白期間があったことを隠したり、虚偽の情報を伝えたりしてしまうと、後々大きな問題につながるリスクがあります。
採用担当者は、履歴書の内容だけでなく、面接での回答からもおおよその人物像を把握しようとします。虚偽の情報を伝えようとすると、面接でボロが出る可能性が高く、不採用まっしぐらです。そのため、正直に空白期間があったことを伝え、その間に何をして過ごしていたのかを具体的に説明しましょうすることが大切です。
空白期間にどのようなことを学んだのかを率直に話すことで、誠実な人物であることをアピールできます。
長く働きたいことをアピールする
ブランク期間があったことで、企業側から「すぐに辞めてしまうのではないか」という不安を持たれる可能性があります。そこで、長く働きたいという意欲を伝えることが重要です。
具体的には、入社後の目標やキャリアプランを明確に示したり、企業のビジョンに共感していることを伝えたりすることで、安定して働ける人材であることをアピールしましょう。
今後どうしたいのかを具体的にアピールする
ブランク期間があったからこそ、今後のキャリアについて真剣に考えていることをアピールしましょう。具体的にどのような仕事がしたいのか、どのようなスキルを身につけたいのかなどを説明することで、企業はあなたのやる気や成長意欲を感じることができます。
また、企業の求める人物像と自分のスキルや経験がどのように活かせるかを説明することで、入社後の貢献度を示すこともできます。
面接でブランク期間の答え方
ブランク期間のある人にとって面接は重要です。ブランク期間の答え方ひとつで面接官に与える印象は大きく変わります。採用されるか不採用になるかは、面接の答え方次第といっても過言ではありません。
病気やケガで療養していた場合
病気やケガで療養していたケースで重要なのは、ありのままを伝えること、そして現在は業務に支障がないことを伝えることです。ただし、病気は個人のプライバシーに関わる部分なので詳しく伝える必要はありません。また、詳細に伝えたかったからといって罰則があるわけでもありません。
ただし業務で何らかのフォローが必要であれば、隠さずに伝えておいたほうが、終業後のトラブルを回避できるでしょう。定期的な通院が必要な場合は、その旨も正直に伝えます。
〇〇という病気で1年間療養していました。現在は体調も安定し、業務に支障はありません。精一杯頑張ります。
事故によるケガで療養していました。後遺症で重たいものを持つことはできませんが、その分他の業務を人一倍頑張りたいです。
〇〇という病気で1年間療養していました。病み上がりで無理はできません。
就活が長引いていた場合
就活が長引いてブランクが長くなった場合は、「時間はかかっても一生懸命働きたいと思える職場を見つけたかった」ことをアピールしましょう。「就活がうまくいかなかった」と伝えるだけではなく、プラスワンのコメントをつけることが重要です。
自分の望むキャリアプランをかなえられる環境で働きたいと思い、就職活動をおこなっていました。御社に採用された暁には、長期で働くことを前提に、一生懸命働きます。
NG例:多くの企業に応募しましたが、なかなか採用されませんでした。採用されたら一生懸命頑張ります。
家族の介護や育児でブランクがある場合
家族の介護や育児など、やむを得ない理由で就業できなかった場合も、その旨を正直に伝えます。今は状況が落ち着いていることや、周囲のサポート体制が整っていることなどを伝えるようにしましょう。
企業によって子育て支援や介護中の社員へのサポートは温度差があるため、そういった支援が充実している会社を選ぶのも転職成功のポイントです。
本当に何もしていなかった場合
ブランク期間に何もしていないと感じる場合でも、自分にとってプラスとなるような出来事があったはずです。ブランク中に何もしていないという負い目から悲観的になりがちですが、印象に残っているエピソードを伝えるようにすると、面接官に与える印象はグッとよくなるでしょう。
就業していない期間は、休養に充てると同時に自分を見つめ直す期間でした。前職では仕事に謀殺され、自分自身と向き合う余裕がなかったため、私にとっては非常に有意義な時間でした。その期間を経て「〇〇がしたい」と思うようになり、御社の主力業務である△△に魅力を感じ、□□(具体的なスキル)を活かして貢献したいと考えております。
前職を退職してから、旅行をしたり趣味をしたりして楽しみました。そろそろ働かないといけないと思い、就職活動を始めました。
おそらく、多くの人の本心はNG例でしょう。しかしそれでは「別にウチじゃなくてどこでもいいのでは」と採用者に思われてしまいますし、またすぐに退職するのでは、と警戒されてしまいます。その企業で働きたい独自の理由と、自分の長所やスキルを合わせてアピールすることが重要です。
ブランクがある場合の履歴書の書き方
大前提として、ブランクがあっても経歴詐称はNGです。発覚したら、減給や降格、懲戒解雇のリスクがあります。経歴は年金記録や源泉徴収票ですぐにわかるため、経歴詐称は必ずバレると思っておいてよいでしょう。
企業は、ブランクの有無よりも、人柄のよい人を採用したいと考えています。前職を辞めた理由や、ブランクが発生した理由を正直に記載することで、誠実な人柄のアピールにもつながります。
また、就職したらどのようなことを頑張りたいか、未来に目を向けた自己アピールをすることも重要です。
ブランクがあって転職がうまくいかない場合の対処法
上記の方法を試してみたけど、どうしても転職がうまくいかない場合、以下の対処法があります。
- 非正規で実績を積む
- 資格を取得する
非正規で実績を積む
職歴があまりなく、ブランクがない場合、希望の条件がかなう正規雇用案件は少ないかもしれません。正規雇用にこだわるあまりにブラック企業に就職してしまったという事例もあるため、まずは、非正規雇用で就労の実績を積むほうがよい場合もあります。
とくにブランクが長い場合は、正規雇用による心身の負担により早期離職を余儀なくされるケースも珍しくありません。非正規雇用でも、ひとつの場所で働き続けることができれば自信にもつながりますし、得られるスキルも多くなります。
あくまでも状況によりますが、正規雇用にこだわって職を点々とするよりも、長期的視点でみたときに成功する可能性が高いでしょう。
資格を取得する
ブランクがあって転職がうまくいかない場合、視覚取得をするのもオススメです。
2024年現在では「教育訓練給付制度」を活用すれば、最大80%の各種専門学校の費用補助が受けられます。せっかくの空白期間です。一念発起して学び直しを検討してはいかがでしょうか。
ブランクがあって転職が不安ならエージェントに相談しよう
ブランク期間に何もしていない人の就職活動は、そうでない人と比べると難航する可能性があります。ブランクが発生していることを塗り替えることはできないため、自分にできることを続けるしかありません。
1人での転職活動に行き詰ったら、転職エージェントに相談するのもひとつの手段です。エムアイエスエージェントは、専門のアドバイザーが一人ひとりの状況に合わせたサポートを提供します。焦らず、一緒に解決策を見つけていきましょう。