シングルマザーで正社員をしていると、朝起きて子どもを送り出したと思えば夕方まで仕事、夜は家事育児、と休まる時間がありません。

そのような生活をしていると「きつい」「もう無理」と思うのは当然です。

この記事では正社員シングルマザーが「きつい」と感じる理由と対処法について解説します。日々の生活に疲れているシングルマザーにぜひ読んでいただきたい記事です。

シングルマザーの正社員がきついと感じる理由 

正社員のシングルマザーの「きつさ」の理由は何でしょうか。肉体的きつさ、精神的きつさ、金銭的きつさ…挙げればキリがないかもしれません。

正社員シングルマザーの「きつさ」について解説します。

とにかく時間がない

朝起きたら、一息つく間もなく朝の家事や子どもの世話、自分の身支度。仕事が終われば子どものお迎えに夕方の家事。シングルマザーはとにかく時間がありません。仕事中の休憩時間が唯一の自分の時間という人もいるくらいです。

目が回るような毎日の連続で、疲労が限界になってしまいます。

子どもに寂しい思いをさせいている負い目がある

フルタイムで働いて、家に帰れば家事の嵐…正社員のシングルマザーは子どもとゆっくり過ごす時間をなかなか取れません。子どもに寂しい思いをさせているのではないか、と負い目を感じているシングルマザーは多いのではないでしょうか。

また、販売員や看護師など、職種によっては土日祝日も働く必要があります。休日に託児所や子どもだけで過ごさせることに、罪悪感が湧くことも。

「お父さんがいない分、私が子どもに愛情を注がねば」と頑張る人ほど、理想通りにいかずに辛い思いをするのです。

体力がない

せっかくの休日、子どもと目一杯遊ぼうと思っても、体力がなくて思うように遊べなかった経験はありませんか。

正社員のシングルマザーは時間に制限がある中で、毎日家事をこなします。ときには体力の限界で、家事をこなせないこともあるでしょう。

いくら優秀な人でも、体力には限界があります。シングルマザーはシンプルに体力がなくて「きつい」のです。

忙しい割に金銭的な余裕がない

共働き家庭が7割に迫る今の世の中、片働きではどうしても相対的な収入は少なくなってしまいます。

令和3年度厚生労働省調査によると、母子家庭の平均世帯収入は、諸手当などを含めても373万円です。決して高い金額とはいえません。

毎日忙しく働いているのに、生活に余裕がないと精神的にも余裕がなくなり「きつい」と感じるのです。

※内閣府の調査によると、2022年の共働き家庭は1,262万世帯、妻が専業主婦の家庭は539万世帯となっています。

参考:厚生労働省|図表1-1-3 共働き等世帯数の年次推移

参考:子ども家庭庁|令和3年度 全国ひとり親家庭等調査結果の概要

ひとりで子どものすべてを背負う重圧がある

シングルマザーはひとりで子育てをします。身の回りの世話から将来のこと、お金のことまで、すべてを自分で背負っています。

考えればキリがないほどのプレッシャーと日々戦うシングルマザーは本当に大変です。精神的なプレッシャーが「きつさ」の根本かもしれません。

シングルマザーが無理なく正社員を続ける方法

シングルマザーが無理なく正社員を続けるには「省力化」を意識しましょう。「子どものためなら頑張れる」と自分を追い込むのではなく、力を抜けるところはとことん抜くことがj\大切です。

家事をとことん省力化する

最初にできる取り組みは、家事の省力化でしょう。下記に省力化する方法を紹介します。

家事を省力化する方法
  • 生協やネットスーパーを活用する
  • 洗濯乾燥機や食洗機など便利家電を導入する
  • ヨシケイなどのミールキット宅配サービスを利用する
  • 家事の外注を検討する
  • 子どもにも家事を手伝ってもらう

コストがかかる方法も、長期的にみたらメリットが大きくなります。なによりも、完璧を目指さないことが大切です。「飢えなければいいや」くらいの気持ちで楽に構えましょう。

朝の時間を有効活用する

早起きが苦痛ではない人は、朝の時間を有効活用するのもオススメです。1時間でも早く起きれば、その分ひとりの時間を過ごせます。

とくに子どもが小さいうちは、子どもが起きている間はずっと話しかけられて、気の休まる時間がない人も多いのではないでしょうか。子どもが寝ている時間に趣味をするもよし、家事を片付けるもよし、自分のペースでやりたいことをやるとリフレッシュできますよ。

子どもとの時間は量より質を重視する 

フルタイムの母子家庭では、どうしても子どもとゆっくり過ごす時間は減ってしまいます。

そのような状況に「子どもに申し訳ない」と心を痛めている人も多いと思います。子どもは親の気持ちに敏感なので、お母さんに申し訳ない思いをさせていることに罪悪感を持ってしまいます。

たとえ子どもと過ごせる時間が少なくても、楽しい時間を過ごすこと、親子で笑顔の時間を過ごすことが、子どもにとっては何よりも嬉しいもの。

自信を持って子どもに向き合いましょう。

柔軟な働き方に理解のある職場に転職する

働き方改革の導入により、柔軟な働き方に理解を示す会社も増えつつあります。

時短制度やテレワークなどの制度のある会社も増えています。制度だけではなく、子どもの急な体調不良でも、快く早退できる雰囲気だったり行事のときは休みを取りやすかったり、といったソフト面も重要です。

制度面は求人情報で情報収集できますが、雰囲気などは知り合いのツテでもないと情報が得られにくいかもしれません。口コミサイトのチェックはマストですが、規模の大きい会社じゃないと情報がないことも。転職エージェントに相談すると、比較的小さな会社の情報も持っており、さらに表には出てこない情報を得られるため、相談してみてはいかがでしょうか。

在宅ワークを視野に入れる

シングルマザーにぜひオススメしたいのが在宅ワークです。自宅で仕事をするため、通勤時間がなくなります。時間に余裕ができるため、体力的な辛さが軽減します。

昼休憩時間など、仕事の合間に家事をできるため、時間の有効活用も可能です。

人によってさまざまではありますが、在宅ワークは仕事と育児の両立にもっとも適した働き方といえるでしょう。企業に所属するタイプと案件を請け負うタイプがあります。自分のスキルや状況に合わせて、適している方法を選ぶのがポイントです。

シングルマザーにオススメの仕事

シングルマザーにオススメの仕事を紹介します。

事務職

女性に人気の高い事務職は、繁忙期以外は定時で帰れることも多く、肉体的な負担も少ないため、仕事と育児の両立に向いています。

人気で倍率が高いため、実務経験やパソコンスキルがあると採用されやすいでしょう。

介護職

介護職は人材不足で需要が高いことに加え、無資格でも働けるため、就職のハードルが低いのが特徴です。

夜勤をすれば給料も増えますし、デイサービスなど日勤だけの職場もあります。同じ職場内で配置転換ができるケースも多く、子どもが小さいうちは日勤のみで働いて、手が離れてきたら夜勤でお金を稼ぐ、といった働き方も可能です。

シフト制の職場が多いため、子どもの行事に参加しやすいのもポイントです。

工場勤務

工場のライン業はシフト制で、定時で帰れる職場が多い傾向にあります。育児や家事との両立がしやすく、シングルマザーにおすすめです。

比較的求人が多いため、どこに住んでいても働けるのもメリットです。

黙々と作業をするのが好きな人は工場勤務に向いているといえるでしょう。

Webライター

パソコンでWeb記事などを執筆するWebライター。特別な資格を必要とせず、在宅でもできるため、シングルマザーにオススメです。

最初からWebライター1本で生活するのは難しいため、副業で始めてスキルを身につけていくとよいでしょう。

Webライターで稼ぎたい人を狙った高額な情報商材もあるため、注意が必要です。情報商材やスクール自体は悪いものではないため、本当に価値のあるものか注意して見極めましょう。

プログラマー

システムやアプリ開発の一端を担うプログラマーも、パソコンとネット環境があれば仕事ができるため、在宅ワークとしてシングルマザーに人気です。

プログラミングの専門知識が必要なため、パソコンに詳しくない人は、スクールなどを活用して知識を身につけてからチャレンジするとよいでしょう。自治体が主催する無料、もしくは安価なスクールもあります。

参考:山口女性Webエンジニア短期育成スクール WINgs YAMAGUCHI

正社員とパートどっちがいい? 

正社員とパートは一概にどちらがいいとはいえません。自分がどのように働きたいか、自分はどちらに向いているかを考えるのが重要です。

たとえば、将来設計をきちんとして安心したいタイプの人がパート勤務を選ぶと、将来の不安からストレスが溜まり、子育てにも悪影響を及ぼすかもしれません。多少お金がなくても子どもの世話を自分でしたい人が正社員のフルタイム勤務だと、思うように子育てできずに強いストレスとなるでしょう。

生涯年収は正社員が圧倒的に有利

令和3年に実施された国税庁の調査によると、女性正社員の年収は389万円です。

仮に時給1,200円でフルタイムパートをした場合の年収をみてみましょう。

時給1,200円フルタイムパートの年収

1,200円×8(時間)=9,600円(日給)

9,600円×21(日)=201,600円(月給)

201,600円×12(か月)=2,419,200円

フルタイムパートは約242万円の年収となります。

生涯における収入は正社員のほうが圧倒的に有利です。

キャリアアップを考えるなら正社員

正社員は昇進のチャンスがあり、研修を受ける機会も多くあります。正社員は専門性の高い仕事を任されるため、さまざまな場所で通用するスキルを身につけやすいです。

仕事を通じて自己実現をしたい人は正社員のほうが適しています。

柔軟性ではパートに軍配

正社員は、責任の重さから、工夫しないと家庭との両立が難しい場面もあります。

パートは、雇用形態的にも時間の融通が効きやすいため、家庭や育児との両立といった面ではパートのほうが柔軟に対応できるでしょう。

シングルマザーの年収っていくらが得?

シングルマザーであれば一度は考えたことがある「結局年収っていくらが得なの?」問題。当社の視点から解説します。

児童扶養手当は条件によって金額が違う

児童扶養手当とは、ひとり親家庭がもらえる公的な手当です。所得制限があり、全額支給、一部支給があります。所得によってはまったく支給されません。

そのため、いかに児童扶養手当を満額受給するか、もしくは一部支給でもなるべく多く受給するかといった点が注目されがちです。

結論からいうと、児童扶養手当は子どもの人数によって金額が違うため、一概にはいえません。月々の給与明細の金額ではなく、各種控除をされた後の「所得額」で計算されるため、控除額によっても異なります。

参考:こども家庭庁|児童扶養手当について

自分に合う仕事を精一杯頑張るのがいちばん得

「働くのが損」と考えるのであれば、児童扶養手当などの公的手当を満額もらえる働き方が、確かに得です。しかし、本当にいちばん得なのは、自分に合う仕事を頑張ることではないでしょうか。

頑張ることでキャリアアップにつながるため、長期的にみたときの金銭的なメリットも大きく、仕事の充実度も高くなります。

活き活きと働くお母さんは、子どもにとっても魅力的です。

まとめ

シングルマザーは、仕事と子育て、子どもと過ごす時間と将来の金銭的ゆとり、さまざまなものを取捨選択しながら、ひとりで子どもを守り育てています。日々のハードスケジュールに加えて、その精神的な重圧は計りしれません。

だからこそ自分に合った働き方、自分に合った仕事を見つけて、活き活きと毎日を過ごすことが大切ではないでしょうか。「夕方は家にいて子どもと過ごしているから寂しい思いはさせていない」「将来のためにお金を貯めて、片親だからといって不憫な思いはさせない」、お母さんが笑顔ならどちらでもOKです。

もし仕事がきつくて家でも辛い気持ちを抱えているのであれば、仕事を見直すのもひとつの手段です。真面目な人ほど仕事が向いてなくても頑張ってしまうもの。思い切って転職することで「今までの生活は何だったんだ」と思えるほど、ストレスが減るケースもあります。

エムアイエスエージェントは、頑張るシングルマザーの味方です。仕事がきつくてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。