SESエンジニアとして「自分のスキルが足りないかもしれない」と感じてしまうこと、ありますよね。
IT業界では常に新しい技術が導入されるため、継続的に学習しないと最新のトレンドに追いつけずスキル不足を感じてしまうことがあります。
この記事では、スキル不足を感じたときの対処法を紹介します。
SESはスキル不足で退場させられる?
SESエンジニアがスキル不足により案件から退場させられることは稀ではありません。場合によっては、クライアントの技術要求の変化やSES企業の内部事情により、外されることもあります。
案件から退場させられないようにするために、どういった状況で退場させられるのかを確認しましょう。
現場の期待するスペックがないと交代させられる
客先の期待する技術レベルやスキルセットに達していないと、別のエンジニアに交代を命じられることがあります。
SESエンジニアがクライアントとの初めの面談で確認されることの一つは「エンジニアのスキルが要件に合致するかどうか」です。
しかし、プロジェクトが進行する中で必要とされるスキルが変わったり、初期の面談で見落とされていたスキルのミスマッチが明らかになったりすることもあります。
このような場合に、クライアントはSES提供企業に対して交代を要求することがあるのです。
常駐先が決まらず待機期間が発生する場合もある
スキル不足が原因でプロジェクトから外されてしまった後、次の常駐先が見つからない場合、待機期間が発生することがあります。
SESの会社は通常、エンジニアのプロジェクト終了が近づくにつれて新たな常駐先を探し始めますが、 スキル不足などで問題があると、マッチする案件が見つからないこともしばしば。
このような状況では、エンジニアは契約終了とともに社内または自宅で待機し、次のプロジェクトが契約されるまで待つことになります。
SESの契約を切られる可能性もある
プロジェクトに必要な基本的な技能が不足している場合、クライアントから契約解除の措置を取られることがあります。
プロジェクトに必要なプログラミングスキルが足りない場合に懸念されるのは、プロジェクトの進行に悪影響を及ぼすことです。スケジュール遅延や製品の品質低下などの問題が生じた場合、SESの契約を切られてしまうことがあります。
このような事態を避けるためには、エンジニアとして常にスキルアップを心がけ、クライアントの期待する技術レベルを維持、あるいは上回ることが大切です。
SESが常駐先から途中退場させられる理由5選
スキル不足以外の理由で途中退場させられてしまうこともあります。
ここからは、常駐先から途中退場させられてしまう主な理由を紹介します。今後、途中退場を避けるためにも詳しく確認していきましょう。
スキル不足
プロジェクトに配属されたものの、要求されるプログラミングスキルが不足していると外されてしまうことがあります。
スキル不足だと、プロジェクトのスケジュール遅延や成果物の品質低下など、様々な問題を引き起こす可能性があります。
その結果、常駐先からの信頼を失い、契約解除という形で退場を余儀なくされることがあります。スキル不足は、プロジェクトの成功にとって重大なリスクとなり、エンジニアにとってもキャリアに大きく影響します。
勤務態度が悪い
途中退場につながる勤務態度の具体的な例は、遅刻や無断欠勤、居眠り、頻繁な離席などです。
遅刻や無断欠勤などは、エンジニアに限らず一般的な社会人としても不適切であり、クライアント企業に悪影響を与えます。さらに、プロジェクトのスケジュールを崩す原因となり、全体のモチベーションを下げることになります。
その結果、態度が悪いと判断され、常駐先からの信頼を失い、契約解除という形で退場させられることがあります。
人間関係の悪化
各プロジェクトに参画する上で、新たな人間関係を築いていく必要がありますが、人間関係が悪化することもあります。
プロジェクトの現場でハラスメントや差別的な行為、人によって態度を変えるなどの不適切な行動は、人間関係を悪化させ、最終的に途中退場のリスクを高めてしまうでしょう。
人間関係の悪化は、プロジェクトチームの協力関係を破壊し、作業効率の低下を招きます。契約解除の直接的な原因となることも少なくありません。
プロジェクトの縮小
プロジェクトの縮小はクライアント企業の経済的な問題や、プロジェクトの目標が早期に達成された場合に生じます。
例えば、クライアントの経営状態が悪化したり、プロジェクトの必要性が低下したりすると、コスト削減の一環としてプロジェクトの規模が急速に縮小されることがあります。
企業の経済的な問題が原因の場合、通常は、SESエンジニアなどの外部の契約者が最初に契約解除の対象となります。エンジニアのパフォーマンスや能力とは無関係に退場が決定されることが多いです。
案件のミスマッチ
エンジニアの持つスキルセットとプロジェクトが要求するスキルセットが一致しない場合、案件のミスマッチが発生します。
例えば、プロジェクトでJavaの専門知識が求められているにもかかわらず、エンジニアがJavaScriptのスキルのみを持っている場合、明らかなスキルの不一致があります。
多くの場合、このようなスキルの不一致はSES契約を結ぶ前に明らかになりますが、場合によってはSES企業がエンジニアの経歴を誤って伝えるなどして、ミスマッチが発生することもあります。
SESエンジニアのスキル不足で発生する問題
スキル不足は、多くの問題を引き起こす原因となります。この見出しでは、スキル不足が原因となって発生する具体的な問題を挙げて、それぞれ詳しく説明します。
SESエンジニアとして遭遇するかもしれない困難に備えましょう。
案件を選べない
スキル不足のエンジニアは、希望するプロジェクトに参画する機会が制限されることがあります。
SESエンジニアは勤務地や待遇などを考慮して案件を選ぶ自由がありますが、技術的な能力が必要条件に満たない場合、選択肢が大幅に狭まります。
クライアント企業は投資する金額に見合うスキルを持つエンジニアを求めています。そのため、スキルセットがプロジェクトの要求に応えられない場合、エンジニアが希望する案件にアサインされる可能性は低くなるでしょう。
面談に受からない
エンジニアが新しいプロジェクトに参画する前に、クライアントによる面談が必要とされます。
面談では、エンジニアの過去の経験、参画したプロジェクトの詳細、そして具体的な技術スキルが評価されます。面談の目的は、エンジニアがプロジェクトの要求する技術要件に適合しているかを確認することです。
もしエンジニアが求められているスキルを持ち合わせていない場合、面談は不成功に終わり、プロジェクトへの参画機会を失います。
収入が上がらない
スキル不足は、望ましい案件を選ぶ機会を失うだけでなく、収入にも影響を与えます。スキルが基準に達していない場合、エンジニアは利益率が低く、技術的な要求が比較的少ない案件に割り当てられることが多くなります。
技術的な要求が少ない案件は、報酬が低めに設定されているため、スキルが不足している限り、エンジニアの収入もそれに比例して低くなりがちです。
加えて、スキルが向上しないと、高単価で報酬の良い仕事を任される機会も限られてしまいます。その結果、SESエンジニアとしての年収が伸び悩むことになります。
精神的に自分を追い詰める
スキル不足は、SESエンジニアが精神的なプレッシャーを感じる原因にもなります。プロジェクトが求めるレベルのスキルがなければ、周囲のペースについていくのは困難です。
スキル不足のエンジニアはプロジェクトの進行にも影響を及ぼし、スケジュールに遅れを生じさせます。その結果、遅れの原因となったエンジニアはどう行動すればよいのかわからなくなり、無力感を覚えることになります。
長時間労働をしても成果が出ず、仕事の積み重ねがストレスとなり、精神的に追い詰められることも珍しくありません。
SESでスキル不足になる原因は?
スキル不足になる原因はエンジニア個人に由来するものだけでなく、場合によっては周囲の環境が要因となることもあります。
ここでは、具体的なスキル不足になる原因を紹介します。あなた自身に当てはまるか確認してみましょう。
エンジニア自身の努力不足
SESエンジニアは、業務の他でもスキルアップのための時間を持つことが重要です。
プロジェクトだけでは経験できない技術や新しい言語の学習が必要な場合も多く、自己学習を怠るとスキルが市場の要求に追いつかなくなったり、案件に参画できなくなったりする可能性があります。
SESエンジニアにとって、仕事で自分のスキルを充分に発揮するのが重要な一方で、勤務時間外にも自主的に学習時間を確保し、新たな知識や技術を習得しなければ、必要なスキルセットを維持・向上させることが困難になるでしょう。
研修や教育制度が整っていない
エンジニアがスキル不足になる原因の一つとして、十分な研修や教育制度の不備があります。特にSES業界では、プロジェクトへの迅速な配属が求められるため、未経験のエンジニアが十分なトレーニングを受けずに現場に送り出されるケースがあります。
このような状況では、基本的なITスキルやプロジェクト管理の知識が不足しているため、現場での作業において右往左往し、効率的な業務遂行が難しくなります。
将来的によりよいキャリアや労働環境を手に入れるためにも、SES企業を選ぶ際には、企業がどのような研修制度を提供しているかを確認することが大切です。
客先での常駐期間が極端に短い
SESエンジニアが抱える問題の一つに、「客先での常駐期間が極端に短い」というものがあります。常駐期間が極端に短いと、スキルの習得や成長に必要な時間が不足してしまい、結果的にスキル不足となるリスクが高まります。
常駐期間の問題は、SESエンジニア個人の問題だけではなく、プロジェクトの特性や企業のプロジェクト管理方法に起因することが多いです。
SESエンジニアとしてこの問題を避けるためには、可能な限り長期にわたり技術力を伸ばせる環境を選びましょう。
SESが自分のスキルに不安を感じたときの対策
スキル不足で途中退場にならないように気をつけていても、自分の力ではどうにもならないこともありますよね。
ここからは、SESエンジニアとして働きながらスキル不足を感じている方ができる、具体的な対策を紹介します。
スキルマッチの案件に変更してもらう
多くのSES企業では、プロジェクトや契約が更新されるタイミングで案件が変わることが一般的です。
プロジェクトの移行期や契約の更新時期が近づいたら、上司や人事部、営業担当者に相談して、自分のスキルにマッチする案件への異動を依頼しましょう。
そうすることで、会社側は社員が最大限に能力を発揮できる環境を提供しやすくなり、エンジニアにとっても自分のスキルを活かせる案件、あるいはスキルレベルに合った新しい案件に変更してもらえる可能性が高まります。
自分にできることを磨く
コミュニケーション能力の向上や最新技術の習得など、既にある程度の基盤がある分野をさらに深掘りすることで、自信を持って仕事に臨めます。
また、Web上の学習プラットフォームを利用したり、資格取得に向けて勉強したりするなど、自己成長のための方法は他にもあります。
例えば、視聴型の動画教材が合う人もいれば、実際に手を動かして学ぶインタラクティブなコースが適している人もいます。自分に合った学習方法を見つけましょう。
社内研修や勉強会に参加する
多くのSES企業では、プロジェクトの重要ポイントやインシデント対応などに焦点を当てた勉強会を定期的に開催しています。勉強会は、実際の業務で直面する可能性がある問題への理解を深める貴重な機会です。
積極的に学びの場に参加することで、SESエンジニアは新たなスキルを身につけたり、既存の知識を更新したりできます。
常駐先のエンジニアと良好な関係になる
常駐先のエンジニアと良好な人間関係を築くことができれば、気軽に質問ができる環境が整い、不明点や技術的な課題を迅速に解決できるようになります。これにより、スキル不足を感じることが少なくなり、自信を持って業務に臨めるようになるでしょう。
また、常駐先のエンジニアとの強固な繋がりは、将来的に他の優良企業への転職の橋渡しとなることもあります。
彼らとの関係がキャリアアップの大きなサポートとなり得るため、常駐先での人間関係を大切にしましょう。
転職を検討する
個人の努力不足ではなく、所属するSES企業の環境がスキル不足の原因となっている場合もあります。
特に、エンジニアの成長を支えるような案件が少ない企業では、単調なタスクやルーティンワークが主な業務内容となってしまいがちです。これでは、技術的な成長やキャリアアップは望めません。
実務経験は、新しい技術を学び、それを活かす最良の機会です。もし現在のSES企業がこのような成長機会を提供していないと感じる場合は、転職を積極的に検討しましょう。
自分に合った職場でポジティブに仕事に取り組もう
この記事では、SESエンジニアがスキル不足によってプロジェクトから途中退場となってしまうケースや原因、対処法について詳しく説明してきました。実際、SESエンジニアがクライアント先から退場を命じられることは珍しくありません。
もし、さまざまな対処法を試したにもかかわらずスキルが向上しないと感じた場合、転職を考えるのも一つの選択です。
新しい環境で気持ちを新たにし、自分に合った職場でポジティブに仕事に取り組むことを検討してみましょう。