仕事を優先して家庭が崩壊してしまう…家族のために頑張って働いたはずなのに気がつけば家庭の雰囲気はギスギス、離婚話に発展、といった事態は絶対に避けたいもの。

しかし世の中には、よかれと思って仕事に邁進した結果、家庭が崩壊してしまったというケースも珍しくありません。

この記事では、仕事を優先して家庭を崩壊させてしまう人の特徴と、家庭を崩壊させないためにできることを解説します。

仕事を優先して家庭崩壊させる人の特徴

仕事を優先したからといって、必ずしも家庭が崩壊するわけではありません。たとえば勤務など、早朝から夜まで働いて、夜間も呼び出しがあるような仕事に従事している人でも、家庭円満な人も多くいます。

では、仕事を優先して家庭崩壊させてしまう人はどのような特徴があるのでしょうか。深堀り解説していきます。

「配偶者よりも自分のほうが大変」と思っている

確かに仕事は大変です。数字に追われ、成果を出さないといけません。社会的な責任もあり、精神はすり減ります。家庭生活のように「疲れたから今日は掃除サボろう」などということはできません。

だからといって「外で仕事を頑張っている自分のほうが大変」と思っていたら家庭崩壊まっしぐら。家事には家事の、育児には育児の大変さがあります。

いわゆる主婦(夫)は、休む場所である「家庭」が仕事場になっているようなものです。ダラダラと朝から晩までタスクがある状態を想像してください。育児、とくに乳幼児の育児は、裁量権のない仕事です。いわば顧客の要望に合わせて(しかも道理の通らない無茶な要望も多い)24時間待期しているようなものです。そのような生活が大変でないはずがありません。

だからといって、家事育児のほうが大変というわけではなく、「どちらが大変か」と比べることがナンセンス。配偶者の協力がよっぽどない場合は別ですが、それぞれがきちんと役割をこなしている状態であれば「自分のほうが大変」と考える時点で、家庭崩壊への一歩を踏み出しているといえるでしょう。

言わなくても伝わると思っている

「自分の気持ちは言わなくても家族に伝わっている」と考える人は家庭崩壊に要注意です。なぜなら、言葉に出さないと相手には伝わらないことがほとんどだからです。

しかも「言わなくてもわかる」というのは、自分の都合のよいときに発動しがち。「言わなくてもこれくらいはしてくれるだろう」「言わなくても自分が感謝していることはわかっているだろう」などと思っていても、実は伝わっていなかった、ということがほとんどかもしれません。

そして気付いたときには家族との溝が深まっていた、ということにならないようにしたいももです

数字で判断しがち

数字で判断することはビジネスの基本です。しかしその考え方を家庭に持ち込むことは危険かもしれません。

家庭生活の継続において、もっとも重要な数字は収入金額でしょう。愛情の深さも、レジャーの楽しさも、家庭から得られる安心感も数値化することは困難です。

数字で判断しがちな人は、このような定性的な付加価値を軽視する傾向にあります。軽視するというよりは、判断できないから積極的に評価しない、といったほうが適切でしょう。そのため「給料を稼いでいる自分のほうが家庭に対する貢献度が高い」と考えがちです。

しかし、家庭は数値で測る場ではありません。家族が安心して過ごせるよう、子どもがいるのであれば子どもが無事成長するよう、数値目標に頼らずに、長期的に運営していくものです。

目に見えないものを軽視するような人は、家庭崩壊の危険が高いでしょう。

支配欲が強め

家庭における支配欲が強い人、たとえば従来の家父長制を引きずっているような人は、家庭を崩壊させがちです。

令和の世の中、さすがに「俺は家長だ、俺に従え」と堂々と言うような人はほとんどいないでしょう。しかし、潜在的に刷り込まれた家父長制の考え方が、折に触れて顔を出す人は家庭崩壊のリスクが高いでしょう。

もちろん、家族それぞれが尊重し合い、家庭内で合意が取れていれば問題ありません。多様性の世の中、家父長制スタイルで運営される家庭があってもよいと考えます。

問題なのは、双方の合意がない場合です。「自分の言うことを聞いておいたほうが間違いない」と相手に自分の意向を押し付けると、家庭はバラバラになってしまいます。

しかも頭がいい人であれば理論武装で相手を言いくるめてしまうため、一見その場はまとまったように見えますが、相手の心の中では不満が溜まる一方。

そのようなことを繰り返していれば、家庭崩壊に一歩ずつ近づいていることは間違いないでしょう。

家庭を崩壊させないための心がけ

家庭生活の維持は、持って生まれた性格で難易度が変わってきます。意識しなくてもバリバリ仕事をしながら家庭を円満に保てる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。

ここでは、仕事を優先させないといけない状況にある人が、家庭を崩壊させないために意識して実行したほうがよいことを解説します。

気持ちを言葉で伝える

大切なのは、言葉で気持ちを伝えることです。「今日は仕事で大変だったけど、皆とご飯が食べられて嬉しい」とか、「いつも家事をありがとう。助かっているよ」など、簡単な言葉でも、家族の心に響くはずです。

疲れているときやストレスが溜まっているときこそ、感謝の気持ちを伝えてみましょう。

配偶者がいなくなったときのことを想像する

もし、今、配偶者がいなくなったら、あなたはどうなるでしょうか?家族との時間をもっと大切にしていればよかった、もっと話を聞けばよかった、そう後悔するかもしれません。そんな未来を想像することで、今のあなたの行動を見つめ直すきっかけになるはずです。

「自分のおかげで家族が何不自由なく暮らせている」と思いがちな人にこそ実行してほしいと思います。

強制的に家族と過ごす時間をつくる

仕事が忙しいと、なかなか家族と過ごす時間が取れないのは事実です。だからこそ、意識して家族と過ごす時間をつくりましょう

例えば、週末は家族で出かけたり、一緒にご飯を食べたり、寝る前に一緒に本を読んだりするなど、さまざまな方法があります。とある社長は、スマートフォンの調子が悪く、通話以外の通知音が鳴らなくなってしまったそうです。今まではどんなメッセージにも即返信をしていたのですが、通知音が鳴らないのでメッセージに気づけなくなってしまい、休日にメッセージを返信することが激減しました。

その結果、家族との時間が増えてリフレッシュできるようになり、仕事のパフォーマンスが向上したそうです。

家庭崩壊させないためには対話と思いやりが大切

家庭崩壊の原因は、仕事優先の姿勢そのものではありません。「仕事で疲れているから家事や育児ができなくても仕方ない」や「稼いでいるから自分のほうが偉い」といった自分本位な考え方が、家庭を崩壊させるのです。

家庭は家族全員で運営していくもの。たとえ自分の考えが正しくても、きちんと対話をすること、そして相手の気持ちや状況を思いやることが大切です。