「エンジニアとして頑張るぞ!」と決意して入社したのに、先輩は忙しそうで放置されたまま。勇気を出して「何かできることありますか?」と聞いても仕事をもらえない…。
職場でほったらかしにされて悩んでいる新人エンジニアは多いと思います。「新人エンジニアあるある」といわれても、辛いものは辛いですよね。
この記事では、新人エンジニアが放置されてしまう原因と、自分でもできる対策を解説します。ぜひ最後までお読みください。
新人エンジニアが会社で放置される原因
新人エンジニアが会社で放置される原因は、人手不足や先輩の業務過多、社内の体制不備などの様々な原因があります。
会社によって新人エンジニアが放置される原因はさまざまです。それぞれの原因ごとに解説していますので、自分の会社はどの原因が当てはまるか考えながら読んでみてください。
人手不足
新人エンジニアがほったらかしにされる理由の1つ目は、人手不足で教える先輩に時間的余裕がないことです。
IT業界は慢性的な人手不足です。人手不足が深刻な職場に新人社員が入社した場合、まとまった指導に時間を割くことができません。
わざと放置しているわけではないのですが、結果としてほったらかしになってしまうのです。
教育担当が初心者
教育担当者の経験が浅く、十分な指導能力がない場合もあります。とくに中小企業など社員の人数が少なく、ベテラン勢は管理職も兼務しているような職場で発生しやすいケースです。
指導担当者の経験値が浅く指導者自身も自分のことで精一杯で、どのように指導してよいかわからないため、新人は放置されているように感じられます。
任せられる業務がない
プロジェクトや案件の内容によっては、新人エンジニアに任せられる業務がない場合も。
システム開発などの高度な技術を要する現場では、その傾向が強くあります。新人には雑用や事務作業を振らざるを得ず、実務的な部分に携われないケースも珍しくありません。
新人は何もわからないため、最初から活躍できないのは当たり前なのですが、雑用と事務作業ばかりだと辛い気持ちになってしまいます。
プロジェクトが炎上している
社内で回しているプロジェクトが炎上している場合、先輩社員はプロジェクトの対応に精一杯で、新人教育まで余裕がありません。迫りくる納期やクライアントの対応と、新人指導を比べた場合、優先順位は炎上案件のほうが高くなるのは仕方のないことです。
その結果、意図せず新人エンジニアが放置状態となってしまいます。
会社の教育体制に問題がある
そもそも指導係がいないなど、新人エンジニアの指導体制が機能していない会社もあります。
スタートアップ企業やベンチャー企業、一部の中小企業でこのようなケースがみられます。
新人エンジニアを採用したからには教育システムが機能しているべきなのですが、ポテンシャル採用という名目のもと、指導体制も整っていないのに新人エンジニアを採用してしまう企業がないわけではありません。
このような会社の場合、人一倍の自己学習が必須です。頑張っても業務についていけない場合、会社に相談して、改善の見込みがないのであれば転職を検討してもよいでしょう。
客先に新人エンジニアが1人で派遣される
客先に常駐して仕事をする会社で、まれに新人エンジニアが1人で派遣されるケースがあります。
客先常駐エンジニアは、上司や先輩と同行派遣されて、ある程度の経験を積んでから独り立ちするケースがほとんどです。
人手不足とはいえ、客先に新人を1人で派遣するような会社は、客先も新人も大切にしていない可能性が高いため、退職を視野に入れてもよいでしょう。
質問してくるのを先輩が待っている
新人が質問してくるのを指導係の先輩社員が待っている場合があります。
社会人として自発的に行動する姿勢を育成しようと、先輩はあえて声をかけずにいるのですが、社会に出たばかりの新卒エンジニアは質問の仕方がわからず、お互いに「待ち」の姿勢になってしまいます。
お互いに悪気はないのですが効果的な指導ができているとは言い難い状況です。
この記事で紹介する、先輩への質問の仕方を身につけて、自分から積極的に声をかけるようにしましょう。
新人エンジニアに「自分で仕事を見つけろ」は酷
「社会人たるもの、仕事は自分で見つけるものだ」と言う人もいますが、新人エンジニアが自分で仕事を見つけるのは無理があります。
なぜなら、仕事を見つけるためには、その仕事についてある程度経験が必要だからです。わからないことがわからない状態だと、自分に何ができるかすらわかりません。そのような状態の新人にできることといえば掃除や片付けぐらいでしょう。
入社したばかりで先輩に「なにかできることはありますか」と質問して「仕事ぐらい自分で見つけろ」と言われたら、先輩の職務放棄です。「自分は気が利かない、ダメなやつだ」などと思う必要はまったくありません。
新人エンジニアをほったらかしにする会社は退職すべき?
新人エンジニアがほったらかしになっている状況は、決してよい状況とはいえません。しかし、必ずしも会社が悪いとは限らず、原因はケースバイケースです。
新人エンジニアがほったらかしになる原因として、会社が悪いとは限らないケースと、退職したほうがよいケースを解説します。
会社が悪いとは限らない
炎上プロジェクトで一時的に新人エンジニアが放置されている、指導係の先輩と相性が悪くて指導がスムーズにいかないなどの場合は、会社が悪いとは限りません。
とくに指導係の先輩と相性が悪い場合など、対人関係の問題がある場合は、先輩より上のポジションの上司に相談し、解決を図る必要があります。炎上プロジェクトで一時的に仕事が忙しい場合は、状況が変わる見込みがあるため、長期的視点で状況を捉えるようにしましょう。
退職したほうがよいケースもある
労働基準法を違反するような長時間残業が常態化していて新人指導の余裕がない職場や、ハラスメントまがいの新人放置がみられるような職場は、新人エンジニアがほったらかしにされる以外にも問題を抱えているケースがほとんどです。
定量的な判断基準はありませんが、職場全体の士気が低いようであれば退職を検討してもよいでしょう。
新人エンジニアがほったらかしにされたときの対策
新人エンジニアが会社でほったらかしにされても、できることはあります。わからないことは自分で調べたり、積極的に先輩に声をかけるなど、自ら学ぼうとする姿勢が重要です。
うまくいかなくても、やろうとする姿勢を継続することで、事態は好転するかもしれません。
わからないことは自分で調べる癖をつける
仕事でわからないことがあるとき、まずは自分で調べることが大切です。インターネットで検索したり書籍を参考にしたりして、わからないことを自分なりに解決しようとすることが重要です。YouTube動画も参考になるものが多いため、積極的に活用しましょう。
自己学習によりエンジニアの知識がつくだけでなく、調べる力も強化されます。
今やっている仕事を深堀りする
今取り組んでいる仕事があれば、徹底的に深掘りします。徹底的に関連知識を調べて自分なりにまとめたり、効率化を図るために仕組みを洗い出したりと、手持ちの仕事で徹底的に時間潰しをするのです。
時間潰しといえば言葉は悪いですが、ひとつのことを極めた経験は、他の仕事でも生きてきます。
上司や先輩に声をかける
自分で調べても解決しない、できる限りのことはやった、それでもほったらかしで仕事がない場合は、なにかできることはないか上司や先輩に声をかけましょう。
話しかけるときは「お忙しいところすみません」「今よろしいでしょうか」などのクッション言葉をつけると、相手に与える印象が変わります。
外部の人に相談する
友人や家族など、社外の人に状況を相談するのも効果的です。ほったらかしにされている状況を誰かに話すことでストレスが軽減されますし、違う視点でのアドバイスをもらえるため、思わぬ解決策が見つかることもあります。
相談相手は信頼できる人を選びましょう。公平な視点を持った人だと尚よいです。
業務内容にかかわることは守秘義務にかかわるため口外NGです。
ふてくされた態度を取らない
ほったらかしにされているときに、職場でふてくされた態度を取るのは控えましょう。印象が悪くなるだけではなく、やる気がない新人とみなされ、さらに放置されかねません。
ほったらかしにされている期間が長かったり、高い志を持って入社したのに思うように仕事が割り振られないと、ふてくされたくなる気持ちは理解できます。しかしそこはグッと我慢して、素直な姿勢を見せ続けることが重要です。
辛いときは部署異動や転職を視野に入れる
ストレスが強すぎて、夜眠れない状態や食欲がない状態が続く場合は、無理せず部署異動や職を視野に入れましょう。
メンタルは深く病んでしまうと、回復に時間がかかります。頑張る気持ちは大切ですが、心身を壊してしまうと元も子もありません。
辛くて健康を害するときは、部署異動の相談や転職を検討した方が、長期的にみたときにエンジニアとしてより良い成長につながります。
新人エンジニアが質問をするときに気をつけること
新人エンジニアがほったらかしにされる状況を打破するには、先輩や上司への質問は不可欠です。
ただし相手も人間なので、都合もあれば感情もあります。新人指導は業務のうちとはいえ、質問の仕方によっては質問される側の受ける印象は違ってきます。
答えやすく好印象を与えられる質問の仕方を解説します。
悩む時間を決める
質問をする際には1人で悩む時間をあらかじめ決めておきましょう。
質問をする前に自分で考えたり調べたりすることは重要です。思いつくままに質問をしてしまうと、自分で解決する意思がないように見えるため、印象が悪くなります。先輩の時間を奪うことにもなるため、可能な限り自分で調べてから質問しましょう。
とはいえ、いつまでも自力で考えていると時間ばかりが過ぎてしまいます。事前に調べたり悩んだりする時間を決めて、時間内に解決できなかったら質問するようにすると、必要以上に時間を無駄にせずに済みます。
事前に質問内容をまとめる
質問をする前に、質問内容を事前にまとめておきましょう。的外れな質問や、質問内容の抜けを防ぎ、効率よく質問をすることができます。
上司や先輩も質問に答えやすくなるため、邪見に扱われる可能性も減少します。
質問内容をまとめる行為そのもので専門知識の理解が深まるため、一石二鳥です。
「質問してよいですか」と声をかける
質問をするときにはいきなり本題から入るのではなく、質問を受けてもらえる状況か確認しましょう。
質問しても大丈夫そうに見えても、手が離せない仕事をしている場合もあります。
そのようなときにいきなり質問をしてしまうと、相手も困ってしまいます。
「すみません、今質問してもよろしいですか?」と声をかけることで、状況把握ができるため、もし手が離せないとしても「今手が離せないけど、この仕事が終わったら質問してもよいですよ」など、スムーズに事が進みます。
説明がわからないときは「わからない」と伝える
先輩や上司の説明がわからないときは、正直に「わからない」と伝えましょう。
説明してくれている人に「わからない」と伝えるのは勇気がいります。失礼に思われないか、理解の遅い奴だと思われないか、心配になる気持ちはわかります。
しかし中途半端な理解で済ませると、いずれ露呈してしまい、かえって失礼にあたるため、わからないことは「わからない」と伝えることは重要です。
お礼の言葉を伝える
質問をした後は、必ずお礼を言いましょう。
質問をするということは、少なからず相手の時間をもらう行為です。仕事なのでお互い様なのですが、だからこそ感謝の気持ちを伝えることで、お互い気持ちよく仕事ができます。
「ありがとうございました」の一言があるのとないのでは、相手が受ける印象がガラッと変わります。
新人エンジニアが技術向上のためにできること
新人エンジニアは、自己学習が必須です。プログラミングの知識は膨大なので、業務で携わる内容だけでは、使える知識にするのは難しいためです。
少しでも自分でできることを増やせば、ほったらかしにされる状況を改善できます。
勉強会に参加する
会社によっては社内勉強会が開催されるため、積極的に参加しましょう。
プログラミングの知識だけではなく、社会人としての一般常識についての研修もあります。
オンデマンド式の研修を取り入れている会社であれば、好きな時間に勉強ができるため受講のハードルが下がります。
資格取得をする
新人エンジニアは積極的に資格取得にチャレンジしましょう。
なかには「資格取得なんて意味ない」という人もいますが、仕事で資格を活用しなくても、資格を取得するための勉強そのものが役に立ちます。
客観的な能力の証明になるため、転職をするときにも有利です。
新人エンジニアであれば、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「基本情報技術者試験」がおすすめです。
プログラミングスクールに通う
余裕のある人は業務時間外にプログラミングスクールに通って、プログラミングの知識を深めるとよいでしょう。
スクールによって、費用や受講形式(対面かオンラインか)が異なるため、自分に合ったスクールを見つけるのが重要です。
よくある質問
最後に、新人エンジニアがほったらかしにされることについてよくある質問をまとめました。
新人エンジニアが1人前になるまでに何年かかりますか?
一概にはいえませんが、おおむね3年の経験で1人前扱いされることが多いようです。
エンジニアがやってはいけないことは何ですか?
エンジニアの種類や上流工程・下流行程などでやってはいけないことは多種多様です。共通していえるのは、理解していないのに推測で物事を進めてはいけないということです。致命的なバグにつながり、プロジェクトやシステムが大炎上するおそれがあります。
エンジニアの仕事は基本的にチームでおこなうため、わからないことはチームメンバーに相談しましょう。
新人エンジニアが放置されるのは無能だからですか?
新人エンジニアが放置されるのは、無能だからではありません。職場全体が忙しすぎる、指導体制の問題など、さまざまな原因から放置されてしまうのです。
自分ができることに取り組み、上司や先輩の意見を素直に聞くことが重要です。
まとめ
新人エンジニアがほったらかしにされることは珍しくありません。しかし、ほったらかしにされて職場で手持ちぶさたになるのは、忙しいより辛いという人もいるぐらい辛いことです。
経験を重ねるうちに、できることも増えるため、ほったらかしで辛い状況からは次第に脱却できるでしょう。自分で改善できるポイントは改善し、自己成長を促すのがポイントです。
ただ、環境がよくないためにほったらかしにされるような職場があるのも事実。そのような職場で働き続けるのは難しいかもしれません。今の会社で働き続けるビジョンが暗いのであれば、転職を検討したほうがよいでしょう。
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