ここ近年、未経験可のエンジニア求人が増えています。エンジニアという専門性の高い職種なのに未経験可とは、なんとなく怪しい感じがしますよね。

この記事では、未経験可のエンジニア求人が発生している理由やブラックIT企業を見分ける方法、未経験社がIT業界に転職する際に失敗しない方法を解説します。

未経験でIT業界に転職を考えている人必見の記事です。ぜひ最後まで読んでください。

未経験可のエンジニア求人は怪しいとは限らない

結論からいうと未経験可のエンジニア求人は怪しいとは限りません。その理由を解説します。

未経験可の求人が多いのは人手不足が深刻だから

IoTやシステム化の急速な浸透に伴い、IT業界の人材不足は深刻です。いくらサービスがよくても提供する人がいなければ成り立たないため、優良企業からブラック企業まで、多種多様な会社がIT人材を求めている状況になっています。

需要に対してIT人材の供給が足りていないため、経験者のみに焦点を当てた求人では思うように求職者が集まりません。そのため、未経験者にまで門戸を広げて人材確保に取り組んでいるのです。

なかには雇うだけ雇って使い倒すという悪質な企業もありますが、未経験者を雇って自社で教育を施し、IT人材に育てようという優良な企業も多くあります。

「未経験可のエンジニア求人=怪しい」とは言い切れないのです。

国もIT人材の教育に力を入れている

未経験可のIT求人はSES企業が多い

SESとは、システムエンジニアサービス(System Engineering Service)の頭文字をとった略称で、エンジニアがクライアント先に赴き、求められるエンジニア技術を提供するサービスです。

SES企業は収益構造上、人員が確保されていれば利益が出るため、未経験者でも積極的に採用する傾向にあります。

ネットで「SES」と検索すると「SES やめとけ」や「SES ブラックリスト」などネガティブなワードが出てくるため、SES企業はブラック企業の印象を持つ人もいると思います。確かに、ブラックといわれてもおかしくないようなSES企業は存在しますが、すべてのSES企業が劣悪な労働環境ではありません。

SES企業に限らず、未経験可のIT求人は、怪しいものもあれば、優良な求人もあるのです。

未経験エンジニアのブラック求人見分け方8選

どのような求人がブラックなのでしょうか。未経験者ではその見分け方が難しいと思います。

ここではエンジニアのブラック求人の見分け方を8つ紹介します。

「未経験可」が強くアピールされている

「未経験者歓迎」「大量採用実施中」など未経験可をアピールするキーワードが押し出されている求人はおすすめできません。

未経験可を全面にアピールする求人を出す企業は、深刻な人材不足に陥っている可能性が高いです。なかには、ITエンジニアとして求人を出して、応募者を他企業に斡旋する悪質な企業もあります。

求職者の心理的ハードルを下げるような誘い文句の求人より、「経験者優遇」といった当たり前の記載がある求人のほうが、優良な求人である可能性は高いでしょう。

学歴・経験不問である

「経験・学歴不問」など、誰でも受け入れる姿勢を前面に出している求人はブラックの可能性が高いです。

学歴不問の場合、他の求人には応募できないような、難のある人が集まる傾向にあります。そのような人が多い会社は、理不尽な怒られ方をされたり、人間関係のトラブルに巻き込まれたりするリスクが高いです。

もちろん、学歴・経験不問の求人がすべてブラックではありませんが、ブラックの確率が高くなることは覚えておきましょう。

固定残業代制度を取っている

固定残業制度を取っている企業も要注意です。

固定残業代制度とは、会社が定めた一定時間の残業代が給与に含まれている制度です。みなし残業制度ともよばれ、毎月の固定残業代に加え、固定残業時間を超過した部分の残業代は別途支払われます。

一見、きちんと残業代を払ってくれるのだからホワイト企業のようにも見えますが、超過分の残業代を支払わない悪質な企業も存在します。労働者も「固定分の残業代はもらっているのだから…」と超過分の残業代申請をためらう心理になりがちです。

固定残業制度だからといってブラック企業とは限りませんが、希望する企業が固定残業制度を取っている場合、休日制度や福利厚生など、他の条件を注意して確認しましょう。

参考:厚生労働省|固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします。

福利厚生が乏しい

通勤手当や家族手当など、多くの企業で導入されている福利厚生がない企業はブラックの可能性があります。

企業の形を取っているのに、国民健康保険や国民年金の加入が必要な会社はとくに要注意です。

中小企業のなかには、職場環境がよくても福利厚生に負担を割けない企業もあります。福利厚生が充実していないからといって、ブラック企業と決めつける必要はありませんが、社員を大切にする風潮のある会社かどうかを見極める必要があります。

平均年齢が極端に低い

平均年齢が20代などと極端に低い会社は、社員の定着率が悪い可能性があります。

何らかの理由で長く勤められないブラック企業の可能性があるため、要注意です。

ただし、ベンチャー企業やスタートアップ企業などでは、ブラック企業でなくても平均年齢が20代であることは珍しくありません。最終的には自分の望む働き方やキャリアパスをもって判断しましょう。

社員口コミサイトの評価が低い

カイシャの評判などの社員口コミサイトで、評価が低い企業は要注意です。

企業サイトや求人票からでは知ることのできない「生の意見」を見ることができるため、転職を検討している企業の口コミはチェックするようにしましょう。

求人票の内容と口コミの記載内容にあまりにも乖離がある企業は、求人票の内容に虚偽がある可能性もあります。

求人票と雇用条件が異なる

あってはならないことですが、求人票の記載内容と雇用条件が異なる企業が存在します。

求人票に曖昧な表現がある、面接で雇用条件について質問すると嫌な顔をされる。労働条件が通知されない場合はブラック企業の可能性が高くなります。

社員口コミを確認する、面接で労働条件を確認するなどして、ブラック企業への就職を未然に防ぎましょう。

常に求人が出ている

常に求人が出ている企業も要注意です。

条件が悪く応募者が少ないか、社員の定着率が悪く慢性的な人手不足の可能性があります。

よい人材を確保するチャンスを逃さないために、常に求人を出している会社もありますので、気になる場合は上記に挙げた項目を確認し、ブラック企業かどうか綜合的に判断するようにしましょう。

ホワイトIT企業の特徴

IT企業はブラックばかりではありません。ホワイトなIT企業も存在します。どのような企業がホワイトIT企業なのか、特徴を解説します。転職活動の参考にしてください。

研修制度が充実している

ホワイトIT企業は、社員の自己研鑽やスキルアップに十分なリソースを割くことを惜しみません。

場当たり的な指導ではなく、実践的な技術を身につけられるよう、体系立てた研修プログラムのある企業はホワイトといってよいでしょう。

未経験者では、企業における研修制度の充実度は非常に重要なポイントです。入社前に具体的な研修内容について確認するようにしましょう。

独自サービスを積極的に開発している

独自サービスを開発するIT企業では、プロジェクトに直接かかわることができ、やりがいや満足感を感じやすい傾向にあります。

独自サービスを開発しているような企業で未経験者の中途採用は少ないため、見つけたら積極的に応募するようにしましょう。

受託企業であっても、自分たちで工夫してプロジェクトに携わろうとする姿勢が見える企業であることが重要です。

求人情報が細かい

求人情報を細かく掲載している企業は、労働環境が整っている可能性が高いです。

少なくとも怪しいブラック企業ではないでしょう。

政府から認定を受けている

政府は、働きやすさについての指標ごとに認定制度を実施しています。ホワイト企業を見分ける上で重要な項目です。以下にいくつかの認定制度を紹介します。

【健康経営優良法人】

健康経営優良法人とは、経済産業省による、従業員の健康管理を戦略的に行っている企業を表彰する制度です。従業員の健康支援を実施している実績が必要となります。

【くるみん】

くるみんとは、厚生労働省による、子育てサポートに優れている企業を認定する制度です。男性の育休取得率など、複数の条件を満たした企業のみが認定されます。子育てをしながら働きたいと考える人は重要視しましょう。

【えるぼし】

えるぼしとは、厚生労働省による、企業の女性活躍推進に関する取り組みを評価し、認定するものです。えるぼし認定を受けている企業は、女性の雇用に理解のある企業といえます。

未経験者のエンジニア転職で失敗する人の特徴

未経験者のエンジニア転職で失敗する人には特徴があります。ひと言でいうと「よく考えないまま転職した人」です。

現状が辛ければ辛いほど、今の環境から抜け出したくて、よく考えないまま転職を決めてしまうのはよくあることです。しかしそのような人は、思っていた職場と違うために再び転職をするケースが多くあります。

未経験者がエンジニア転職で失敗する理由を具体的に解説します。自分に当てはまっていないか、考えながら読んでみてください。

企業が求めるスキルを持っていなかった

優良な未経験可の求人であれば、研修制度やOJTで働きながらスキルを身につけられます。

しかし、未経験可といいながら即戦力のプログラミング能力を求めてくるような企業もあります。未経験可で求人を出しておきながらスキルを求める企業側の問題でもありますが、事前に企業研究をおこなうことで、ある程度は回避することができます。

業界研究をしなかった

とりあえず転職できそうだから、と転職をしたものの、エンジニアの適性がない場合、非常に苦労します。

「なんとなくかっこいいから」「将来性がありそうだから」といった表面的な理由のみでなく、自分に向いているかどうかをしっかりとジャッジしましょう。

未経験のエンジニア転職で失敗しないためにできること

未経験のエンジニア転職で重要なのは、ブラックIT企業を避けることです。そのためには企業研究が必要不可欠であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

他にも、エンジニア転職で失敗しないためにできることはあります。最後に、その方法を紹介します。

転職の目的となりたい将来像を明確にする

まずはどうしてエンジニアになろうと思ったのか、どのようなキャリアを築きたいのかを明確にしましょう。

場合によっては、エンジニアではなく他の職のほうが、なりたい未来に近づける可能性もあります。

なんとなくではなく、エンジニア転職の動機と将来像を具現化することで「やっぱり違った」といった事態を防げます。

プログラミングスクールの転職支援を活用する

多くのプログラミングスクールで就職支援を実施しています。未経験でIT業界への転職を検討している人は積極的に選択肢に入れましょう。

IT業界への就職支援を実施している自治体もあります。費用も無料や格安の場合が多いため、お住まいの自治体で支援体制がないか調べることをおすすめします。

参考:山口県女性Web短期スクール WINgs公式Webサイト

転職エージェントを活用する

転職エージェントに相談するのもおすすめです。

未経験でIT業界の解像度が低い場合は、自力での情報収集に限界があります。そのため、入社してから事前情報との乖離が大きく、満足のいかない転職になるケースが多いです。

エージェントならではの情報網で、表には出てこない内部情報も教えてもらえるため、失敗しない転職になる可能性がアップします。

まとめ

未経験者のエンジニア求人は、経験者のエンジニア求人と比較すると条件が悪い企業が多いのは事実です。だからこそ、怪しいブラック企業を避け、なるべく条件のよい企業に就職する努力が必要となります。

エムアイエスエージェントは、未経験でエンジニア転職にチャレンジする人を応援します。独自の情報網による豊富な情報に加え、独自のIT教育プログラムで、未経験者でも現場で活躍できる人材に育成します。ぜひ、お気軽にお問合せください。