2010年代前半から普及し始めた「ノマドワーカー」という働き方。自由な働き方として注目を集めていますが、どうすればノマドワーカーになれるのか疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
この記事ではノマドワーカーに興味があるけれど、具体的ななり方がわからない人向けに、ノマドワーカーになる方法を解説しています。
ノマドワーカーとは
ノマドワーカーになる方法を解説する前に、ノマドワーカーとは何か、その概要を解説します。
オフィスを持たない働き方
ノマドワーカーとは、オフィスを持たずに、カフェやコワーキングスペースなど、様々な場所で仕事をする人のことです。まるで遊牧民のように、場所を定めずに働くことから、この名前がつけられました。パソコンやスマートフォンさえあれば、どこでも仕事ができるのが魅力です。
テレワーク・リモートワークとの違い
テレワークやリモートワークも、オフィス以外で仕事をする働き方ですが、ノマドワーカーとは少し違います。
テレワークやリモートワークは、会社が用意した仕事を持ち帰って自宅などで行うことが多いです。どこでも働けるというよりは、自宅など指定された場所で働くイメージです。
ノマドワーカーは、場所を選ばずに様々な仕事をおこなうため、テレワークやリモートワークよりも自由度が高くなります。
仕事そのものを自由に選べるのはノマドワーカーの特徴です。
フリーランスとの違い
フリーランスは、特定の会社に所属せず、個人で仕事を受注して働く人のことを指します。
ノマドワーカーは、フリーランスのように個人で仕事をすることもできますし、会社に所属しながら場所を選んで働くこともできます。
つまり、フリーランスは働き方の形態、ノマドワーカーは働き方のスタイルと言えるでしょう。
ノマドワーカーはフリーランスとして仕事をしている人も多くいます。
ノマドワーカーになる5ステップ
オフィスで働いている人がノマドワーカーに転向する際には、順序を踏んで移行することが重要です。
- 必要な物品を準備する
- 快適な作業スペースを確保する
- インターネット接続を確保する
- まずは副業で試してみる
- 自分の仕事スタイルを確立する
早速みていきましょう。
必要な物品を準備する
ノマドワーカーになるためには、まず、仕事に必要な道具を揃えましょう。
最低限、以下のアイテムは必要となります。
- ノートパソコン
- マウス
- モバイルバッテリー
- ポケットWi-Fi
仕事の内容によっては、USBメモリーやタブレット、電子書籍リーダーなども必要になることがあります。
快適な作業スペースを確保する
次に、快適に仕事ができる場所を確保しましょう。
自宅の一室を仕事部屋にしたり、カフェやコワーキングスペースを利用したりするのも良いでしょう。自宅以外で仕事をする場合は、自宅からの利便性や利用料金など、タイパやコスパも意識しましょう。
集中できる環境作りが大切です。
インターネット接続を確保する
ノマドワーカーは、インターネット環境が必要不可欠です。
自宅に光回線を引いたり、外出先ではポケットWi-Fiを利用したりして、常に安定したインターネット接続を確保します。
カフェなどのフリーWi-Fiはセキュリティ面が脆弱なので、個人情報や機密情報が漏えいするリスクがあります。信用問題にかかわるだけでなく、取引先に損失を与える可能性もあるため、フリーWi-Fiを使っての仕事はしないようにしましょう。
まずは副業で試してみる
いきなりノマドワーカーになるのが不安な人は、まずは副業から始めてみるのもおすすめです。
クラウドワークスなどクラウドソーシングのプラットフォームサービスを利用すれば、簡単に単発の仕事が見つかります。自分のスキルに合った仕事をチョイスしましょう。
本業のかたわら、少しずつノマドワークの経験を積んでいくことができるため、生活基盤を保ちながらノマドワーカーに移行するか決めることができます。
自分の仕事スタイルを確立する
ノマドワーカーには、自由な働き方ができるというメリットがある一方で、自己管理能力が求められます。
- 時間の管理:自分でスケジュールを立てて、納期を守ってタスクをこなす能力
- 目標設定:目の前の仕事をこなすだけでなく、未来のビジョンを明確にして自己成長するための努力をする能力
- 健康管理:食事や睡眠、運動など健康を維持するための知識とスキルを持ち合わせること
上記を意識した上で、自分の仕事スタイルを確立することが大切です。
ノマドワーカーに向いている職種
ノマドワーカーに向いている職種は、簡単にいうとインターネットさえあればどこでも仕事ができる仕事です。
具体的にいくつかの職種を紹介します。
- ウェブデザイナー/グラフィックデザイナー
- ライター/編集者
- プログラマー/ソフトウェアエンジニア
- デジタルマーケター
- 翻訳者
- オンライン講師
- コンサルタント
Webデザイナー/グラフィックデザイナー
Webデザイナーやグラフィックデザイナーは、ノマドワーカーに向いている仕事の代表です。
デザイン系の仕事はインスピレーションを求められるため、リラックスできる場所で作業することが重要です。
ノマドワーカーは自宅やお気に入りのカフェなど、自分の好きな場所で働けるため、仕事面においても好影響でしょう。
Webライター/編集者
Web記事を書いたり、本を編集したりする仕事も、パソコンがあれば場所を選ばずに仕事ができるため、ノマドワーカーに向いています。
ブログを書いたり、SNSで発信したりして収入を得る人も、広義にはライターと言えるでしょう。
ITエンジニア/プログラマー
システムの構築や設計を行うITエンジニア職は、需要は高いものの慢性的な人手不足が続いています。
そのため、人材確保の一貫として職場環境の見直しやフリーランスの活用などの動きがあるため、ノマドワーカーに向いている職種のひとつです。
仕事の特性上、システムの案件受注から納品までオンラインで完結でき、成果も成果物を通して測ることになるため、そういった要因もITエンジニアがノマドワーカに向いている理由といえるでしょう。
スキルを身につければ、単価も高く高収入が期待できる仕事です。
デジタルマーケター
デジタルマーケターは、商品やサービスをインターネットを使って宣伝する仕事です。
具体的にはオンライン上でのプロモーション戦略の検討や、Web広告の運用などをおこないます。
マーケターには、市場や競合を分析する能力力やトレンドをいち早く把握する情報収集能力など、多角的な能力が求められます。
さらにWeb広告担当者には、Google広告やYahoo!広告など広告出稿先のツールを使いこなせるスキルも必要です。
翻訳者
外国語が得意な人であれば、ノマドワーカーとして翻訳の仕事を受けることができるでしょう。
クライアントから翻訳する資料をもらい、期日までに指定の言語に翻訳して納品するのが仕事の流れです。パソコンとインターネット環境さえあればどこでも仕事ができるため、大学の英文科や外国語学科を卒業した主婦の在宅ワークとしても人気があります。
オンライン講師
音楽や語学、ヨガなど、人に教えられるほどのスキルを持っているのであれば、オンライン講師もノマドワーカーとしてオススメです。
クラウドソーシングプラットフォームなどを活用して仕事を探します。講師として人気が出れば、多くの収入が得られる可能性があります。
オンライン講師の場合は、Web上で自分をアピールする能力やコミュニケーション能力など、ジャンルのスキル以外の能力も求められるため、ハードルは若干高いかもしれません。
コンサルタント
コンサルタントとは、各ジャンルにおいて顧客にアドバイスをする仕事です。
対面のイメージがあるコンサルタント業務ですが、オンライン会議ツールやチャットツールの普及により、コンサルタント業もノマドワーカーになれるようになりました。
経営コンサルタントやITコンサルタントなど、専門領域に特化して仕事を受注します。高度な知識と提案力、コミュニケーション力など幅広いスキルを求められますが、報酬は高単価である傾向にあります。
ノマドワーカーのメリット
あらためてノマドワーカーのメリットを解説します。
- 働く時間や場所を自由に決められる
- 自由な服装で働ける
- 人間関係のストレスが少ない
- 自分のペースで仕事を進められる
働く時間や場所を自由に決められる
ノマドワーカーは、自分の好きな時間に、好きな場所で仕事をすることができます。
自宅で働くのであれば、通勤時間は発生しません。自宅外の場所で働くとしても、定時というものがないため、通勤ラッシュに巻き込まれることもありません。
新型コロナ感染症が流行したとき、ワーケーションという概念が普及しました。ワーケーションとは旅先で仕事をすることで、非日常かつ快適な環境で仕事ができるということで、注目された働き方です。
通勤や働く環境によるストレスがなくなり自分のペースで仕事を進められるのは、ノマドワーカーの大きなメリットです。
自由な服装で働ける
ノマドワーカーはオフィスワーカーのように、かしこまった服装をする必要はありません。オンライン会議の際は多少改まった服装をする必要もありますが、中には上半身はスーツ、下は短パンといった服装で会議に参加する強者も。
自分の好きな服装やリラックスできる服装で仕事ができるのも魅力の一つです。
人間関係のストレスが少ない
ノマドワーカーは基本的にひとりで仕事をするため、人間関係のストレスが少なくなります。
ノマドワーカーがコミュニケーションを取る相手は、取引先がメインとなります。ビジネスライクなコミュニケーションで済むため、人間関係のいざこざは発生しにくいでしょう。
自分のペースで仕事を進められる
自分のペースで仕事を進められるのもノマドワーカーのメリットです。オフィスワークだと周囲の様子を伺うこと、いわゆる空気を読むことが求められます。
しかしノマドワーカーは自分ひとりで仕事を進められるため、業務外のことにわずらわされることがありません。
ノマドワーカーのデメリット
魅力の多いノマドワーカーですが、デメリットも存在します。
- 収入が安定しない
- 仕事場の確保が必要
- 自己管理が必要
- 事務作業を自分でする必要がある
- セキュリティのリスクがある
収入が安定しない
ノマドワーカーの大きなデメリットとして収入が安定しないことが挙げられます。
企業に所属しているノマドワーカーであればそれなりに収入の見通しを立てられますが、ノマドワーカーとして独立している場合、仕事量や単価によって収入が変動するため、収入が安定しないリスクがあります。
新規案件を獲得できるようSNSや各プラットフォームでの自己アピールや、リピート発注につながるよう丁寧な仕事やコミュニケーションが必要不可欠です。
仕事場の確保が必要
ノマドワーカーは、自力で快適な仕事場を確保する必要があります。
カフェやコワーキングスペースを利用する場合は利用料金がかかるため、収入と支出のバランスをみて仕事場を決めないと、利益が少なくなってしまいます。
セキュリティのリスクがある
ノマドワーカーはセキュリティ面においてオフィスワーカーと比べると、どうしても高リスクです。。
インターネット回線のセキュリティが脆弱な場合、悪意のある第三者にPCを乗っ取られ、PCの内部にある情報が盗まれるリスクがあります。
カフェやコワーキングスペースなど自宅外で仕事をする場合、パソコンやスマートフォンをのぞき見されたり盗まれたりする可能性も。
情報セキュリティの面でも物理的セキュリティの面でも、気をつけなくてはなりません。
自己管理が必要
ノマドワーカーは自由な反面、自分でスケジュールを管理し、仕事を進めていく必要があります。
自己管理能力が低い人は、最初のうちはなかなかうまくいかないかもしれません。
事務作業を自分でする必要がある
会社に所属している場合、経理や人事などの事務作業は会社が行いますが、ノマドワーカーは自分でこれらの作業を行う必要があります。
事務作業な苦手な人や、経理関係の知識がない人は、最初は難しく感じるでしょう。
ノマドワーカーによくある質問
最後に、ノマドワーカーに関するよくある質問をまとめました。
ノマドワーカーがうざいと言われる理由は?
ノマドワーカーは魅力的な働き方ですが、一部のノマドワーカーにより「ノマドワーカーってうざい」と思われることも。うざいと思われてしまうノマドワーカーの振る舞いは以下のとおりです。
- SNSによる過剰な自己アピール
- オフィスワーカーを見下す発言をする
- カフェなど皆が使う場所を長時間占領する
ノマドワーカーに向いている人は?
ノマドワーカーに向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 自己管理能力がある
- 積極性がある
- 公共の場でマナーを守れる
- 安定より冒険を求める
スキルなしでノマドワーカーになれる?
スキルなしでノマドワーカーになるのは難しいでしょう。なにかひとつでも「売り」になるスキルを身につけてからノマドワーカーを目指すほうが成功しやすいです。
まとめ
ノマドワーカーは新たな働き方として、自由を求める人達に普及しました。
その分、自己管理能力や案件獲得能力が求められるものの、マッチする人にとっては大変よい働き方です。
また必ずしもフリーランスではなく、企業に所属しながらノマドワーカーになることもできるため、案件獲得に不安のある人は企業に所属する形でノマドワーカーを目指すほうがよいでしょう。
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