CADの資格取得を考えている方の中には、「難しそう」「自分にできるだろうか」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
CADの資格は、種類やレベルによって難易度が異なるため、自分のレベルにあった資格にチャレンジすることが重要です。
この記事では、CAD資格の難易度について、具体的な例を挙げながら解説していきます。ぜひ参考にしてください。
【難易度:低】CADオペレーターにオススメの資格
- 2次元CAD利用技術者試験基礎
- CAD実務キャリア認定制度
- Vectorworks操作技能認定試験
2次元CAD利用技術者試験基礎
2次元CAD利用技術者試験基礎とは、一般社団法人コンピューター教育進行協会が実施する「CAD利用技術者試験」のひとつです。CAD利用技術者試験は、2次元CADと3次元CADにわけられ、さらにその中で難易度が細分化されています。
2次元CAD利用技術者試験基礎は、これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者を想定した、2次元CAD試験のなかでもっとも難易度の低い試験です。2次元CADの基本操作や図面読み取り能力、簡単な図面作成能力など、2次元CADに関する基礎的なスキルがあれば合格できるでしょう。
参考:CAD利用技術者試験|2024年度 2次元CAD利用技術者試験 概要
CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度とは、一般社団法人コステックエデュケーションが実施する認定資格制度です。「TCADs」というスコア制でCADの技術・理解力を測る試験と、「CADアドミニストレーター認定試験」「3次元CADトレーサー認定試験」「3次元CADアドミニストレーター認定試験」の3種類の認定試験があります。
TCADsはスコア制で自分の実力がわかるため、幅広い知識レベルの人も受験可能です。
Vectorworks操作技能認定試験
Vectorworks操作技能認定試験は、VectorworksというCADソフトウェアの操作スキルを客観的に評価するための試験です。
Vectorworksは、建築やインテリアデザイン、ランドスケープデザインなど、幅広い分野で利用されているCADソフトウェアです。デザインソフトのIllustratorやPhotoshopと連携が取りやすく、アトリエやデザイン事務所で重宝されています。
試験では、Vectorworksを使用した2次元および3次元の作図技能や、機能などに関する基本的な知識が問われます。
【難易度:中】CADオペレーターにオススメの資格
- 2次元CAD利用技術者試験2級
- 3次元CAD利用技術者試験2級
- 建築CAD検定2級
2次元CAD利用技術者試験2級
2次元CAD利用技術者試験2級は、一般社団法人コンピューター教育進行協会が実施する「CAD利用技術者試験」のひとつです。
CADシステムを利用した設計・製図などの業務に従事することを目指す人、もしくは従事して間もない人を想定した試験で、2次元CADの実務に関する基礎的な能力を問われます。2次元CADだけではなく、3次元CADの基礎知識も問われ、よりステップアップしたい人におすすめの試験です。
参考:CAD利用技術者試験|2024年度 2次元CAD利用技術者試験 概要
3次元CAD利用技術者試験2級
3次元CAD利用技術者試験2級も、一般社団法人コンピューター教育進行協会が実施する「CAD利用技術者試験」のひとつです。
3次元CADの周辺業務に従事している人を想定した試験で、これから3次元CADの実務能力を高めたい人に向いている試験です。
参考:CAD利用技術者試験|2024年度 3次元CAD利用技術者試験 概要
建築CAD検定2級
建築CAD検定2級は、一般社団法人全国建築CAD連盟が認定する資格で、建築業界におけるCADスキルに特化した資格です。
資格区分は、簡単なほうから「4級」「3級」「準2級」「2級」「準1級」となっています(4級は高校生の団体受験のみ)。
建築CAD試験の特徴は、実技問題のみであることです。それぞれの難易度に応じた問題が出題され、2級では、保有している建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかが問われます。
参考:建築CAD検定試験
【難易度:高】CADオペレーターにオススメの資格
- CADデザインマスター
- 機械・プラント製図技能士(機械製図CAD作業)
CADデザインマスター
CADデザインマスターとは、日本デザインプランナー協会が実施する、CADに関する資格です。
CADデザインマスターの特徴は、幅広い範囲から出題されることです。建築や機械・土木・インテリア・不動産業などあらゆるジャンルで通用するスキルの証明となるため、チャレンジすることにより、より高いレベルアップが可能です。
機械・プラント製図技能士(機械製図CAD作業)
機械・プラント製図技能士は、機械やプラントの図面を作る能力を証明する国家資格です。
「機械製図手書き作業」「機械製図CAD作業」「プラント配管製図作業」の3種類があり、「機械製図CAD作業」が、CADに関する試験となります。
区分は3級から1級まであり、3級は受験資格制限なし、2級と1級を受験するには、それぞれ前の級に合格している必要があります(もしくは定められた期間の実務経験の保有)。
CADオペレーターが資格を取るメリット
CADオペレーターに資格は必須ではありません。しかし資格取得をすることで得られるメリットがあるのも事実です。ここでは、CADオペレーターが資格を取るメリットについて解説します。
履歴書でアピールできる
CADオペレーターが資格を取得する大きなメリットは、履歴書でアピールができることです。客観的なスキルの指標となるため、転職時のアピールとなります。
また、建築業界であれば建築CAD検定、機械設計であれば機械設計CAD検定といった、業界に特化した資格を取得することで、専門性のアピールにもつながります。
スキルアップの指標になる
CADに関する資格の取得は、自己研鑽の面においても役立ちます。ただ単に履歴書でアピールできる資格が増えるだけではなく、資格取得の過程で身につけた知識やスキルは、実務の面においても大いに役立つでしょう。
また、スキルアップの指標が目に見えてわかるため、学習のモチベーション維持にもつながります。
CADオペレーター資格取得のための勉強方法
最後に、CADの資格取得を目指すための勉強方法を紹介します。
CADソフトを実際に操作する
CAD資格は実技試験が多く、実際に製図ができなければ試験に合格することができません。そのため実際の演習が何よりも大切です。
また、CADオペレーターが現場で活躍するためには、座学の知識よりも実技のスキルが求められます。学科試験への対策を完璧に行う以上に、実技試験の技術習得を意識することが大切かもしれません。
テキストや動画で学ぶ
テキストや動画教材は、自分のペースで学習を進めることができるというメリットがあります。
通勤時間や空き時間を利用して、少しずつ学習を進めることができます。また、インターネット上には、無料で公開されているチュートリアル動画も多く存在するため、気軽に学習を始められます。
通信講座やセミナーで学ぶ
独学で学ぶのが難しい場合は、通信講座やセミナーを利用するのも良いでしょう。
通信講座のメリットは、自分のペースで学習できることです。また、多くの場合、カリキュラムが体系的に組まれているため、効率的に学習を進めることができます。
セミナーでは、講師から直接指導を受けることができるため、疑問点をすぐに解消できます。また、他の受講生との交流を通じて、モチベーションを維持することも可能です。
CADオペレーターは学び続ける姿勢が大切
CADオペレーターとして働くには、学び続ける姿勢が大切です。新しい技術が次々と開発されるため、自分のキャリアに合わせて技術を身につけましょう。
資格取得は、スキルアップのきっかけです。資格の取得を通じて「学び続ける」ことを意識すれば、長期的にCADオペレーターとして活躍できるでしょう。