バックエンドエンジニアは、Web開発にはなくてはならない存在です。

この記事では、バックエンドエンジニアの仕事内容や必要スキル、きついと言われる理由など、バックエンドエンジニアについて徹底解説します。

バックエンドエンジニアの仕事に興味のある人は、ぜひ読んでください。

目次
  1. バックエンドエンジニアとは
    1. Web開発の目に見えない部分を担当する
    2. バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの違い
    3. バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違い
  2. バックエンドエンジニアの仕事内容
    1. サーバー構築
    2. データベース構築
    3. サーバーサイドプログラムの開発
    4. 保守・運用
  3. バックエンドエンジニアに必要なスキル
    1. サーバサイド言語のスキル
    2. データベースに関するスキル
    3. フレームワークに関するスキル
    4. フロントエンドに関する知識
  4. バックエンドエンジニアの年収
  5. バックエンドエンジニアに向いている人
    1. 集中力が高い
    2. 細かい作業が苦にならない
    3. 裏方の仕事が好き
    4. 学習意欲が高い
  6. バックエンドエンジニアがきついと言われる理由
    1. 求められる知識量が多い
    2. ミスが許されない
    3. 緊急対応をしなくてはならない
    4. 技術の移り変わりが早い
  7. バックエンドエンジニアにおすすめの資格
    1. 基本情報技術者試験
    2. 応用情報技術者試験
    3. Oracle認定Javaプログラマ
    4. Linux技術者認定試験(LinuC)
    5. Ruby技術者認定試験
    6. PHP技術者認定試験
  8. 未経験からバックエンドエンジニアになる方法
    1. 必要なスキルを身につける
    2. ポートフォリオを作成する
    3. 求人を探す
  9. バックエンドエンジニアに関するよくある質問
    1. バックエンドエンジニアのやりがいは?
    2. バックエンドエンジニアの仕事がなくなるって本当?
  10. まとめ

バックエンドエンジニアとは

バックエンドエンジニアはどのような業務を担当するのか、混同されやすい職種との違いを含めて解説します。

Web開発の目に見えない部分を担当する

バックエンドエンジニアは、Web開発においてサーバーサイド全般を取り扱うエンジニアのことです。サーバーサイドのプログラムやデータベースの開発・設計から保守管理までを担当します。

たとえば、ECサイトで商品をクリックすれば自動でカートに入り、合計金額を計算して計算処理ができるのは、バックエンドエンジニアのおかげです。

ユーザーの目に見えない部分を担当するため、縁の下の力持ち的存在といえるでしょう。

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアの違い

バックエンドエンジニアとフロントエンドエンジニアは対になる職種です。

フロントエンドエンジニアは、ユーザーの目に見える部分の開発・設計をします。Webデザイナーのデザイン案をもとに、ユーザーの使いやすさを考慮して画面に落とし込んでいきます。

バックエンドエンジニアが開発に必要な情報をデータベースなどから取得し、フロントエンドエンジニアがそれを表示させることで、ひとつのWebサイトができあがるのです。

バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアの違い

バックエンドエンジニアはサーバー周りを担当することから、サーバーエンジニアと混同されます。

実際のところ、バックエンドエンジニアとサーバーサイドエンジニアはほぼ同じ業務内容です。両者は、使う場面によって使い分けされます。

バックエンドエンジニアという言葉はWeb開発系でのみ使用されることが多く、サーバーサイドエンジニアという言葉はIT系とWeb系の両方で使用されます。

バックエンドエンジニアの仕事内容

バックエンドエンジニアはサーバー周り全般を担当するため、その業務内容は幅広いです。

ここでは、バックエンドエンジニアの仕事内容を4つにわけて解説します。

  • サーバー構築
  • データベース構築
  • サーバーサイドプログラムの開発
  • 保守・運用

サーバー構築

Webサイトを動かすシステムに必要なサーバーの設計と構築をおこないます。

たとえば、ECサイトにおける会員登録や買い物かごなどのシステムが挙げられます。これらのシステムが問題なく動くよう、設計・構築することが必要です。

最近ではクラウドサービスを利用するケースが増えているため、柔軟な対応が求められます。

データベース構築

システム運用に必要不可欠なデータベース。ECサイトで、検索画面に商品が羅列されたり、商品画像をタップしたら商品詳細を閲覧できたりするのは、データベースが構築されているからです。

バックエンドエンジニアにとって、データベース構築は重要な役割です。Webサイトの運用に必要なデータを整理・管理できるよう、専用のソフトウェアを使ってデータベースの構築をします。主に使われるソフトに、MySQL、Oracleなどがあります。

サーバーサイドプログラムの開発

サーバーサイドプログラムの開発とは、文字通りサーバーが命令通りにデータベースのデータを吐き出せるようなシステムを構築することです。

案件に合わせたプログラミング言語でシステムを構築する必要があります。データ処理に強い言語、ECサイトに向いた言語など、それぞれに特徴があるため、複数言語の習得が必要となるでしょう。

保守・運用

構築したサーバーやシステムの保守・運用もバックエンドエンジニアの重要な業務です。

バックエンドエンジニアが担当する領域はWebサイトの土台となる部分なので、システム障害が発生したら顧客の業務に大きな支障をきたします。そのため、システム障害時には迅速な対応が求められます。

バックエンドエンジニアに必要なスキル

バックエンドエンジニアに必要なスキルを解説します。

  • サーバサイド言語のスキル
  • データベースに関するスキル
  • フレームワークに関するスキル
  • フロントエンドに関する知識

サーバサイド言語のスキル

バックエンドエンジニアに必須なのは、開発に使用する言語のスキルです。業務で使用する可能性のある言語は以下のとおりです。

サーバサイド言語の例
  • Java
  • JavaScript
  • PHP
  • Python
  • Go
  • Ruby
  • Swift  など

とくにPHP、Java、Pythonは使う頻度が多くなります。すべての言語をマスターするのは難しいかもしれませんが、ひとつでも多くの言語を扱えるようにしましょう。

データベースに関するスキル

バックエンドエンジニアは、データべースに関する知識・スキルはマストです。適切にデータベースの管理をおこなうため、以下のスキル・知識が求められます。

データベースに関するスキル
  • SQLなどのデータベース言語への知識
  • NoSQLデータベース(MongoDB、Cassandraなど)の知識

フレームワークに関するスキル

フレームワークとはプログラム開発に必要な機能をまとめた枠組みをいいます。開発プロセスの一部を自動化して、開発の省力化を図ることができるため、バックエンドエンジニアにとって重要なツールです。

業務では主に下記のフレームワークを使う機会が多いでしょう。

フレームワークの例
  • Django (Python)
  • Flask (Python)
  • Ruby on Rails(Ruby)
  • Laravel(PHP)
  • Spring Boot (Java)

フレームワークにはトレンドがあるため、アンテナを張って最新の情報をキャッチしていく必要があります。

フロントエンドに関する知識

Web開発ではフロントエンドエンジニアとのコミュニケーションが重要です。円滑なコミュニケーションのためにも、フロントエンドエンジニアの仕事内容について、説明できる程度の知識を持っておくとよいでしょう。

バックエンドエンジニアの年収

バックエンドエンジニアに特化した公的な年収調査結果はありません。パーソル株式会社が運営する転職サイト「doda」によると、バックエンドエンジニアに近い職種であるサーバーエンジニアの平均年収は457.3万円という調査結果があります。

また厚生労働省によると、バックエンドエンジニアに近い職種であるシステムエンジニア(基盤システム)の平均年収は684.9万円となっています。

技術力や経験年数にもよりますが、年収400万円から700万円程度の間で推移する層が多いことが予想されます。

参考:doda|サーバーエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説【doda職種図鑑】
   厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag|システムエンジニア(基盤エンジニア)

バックエンドエンジニアに向いている人

バックエンドエンジニアに向いている人について解説します。

  • 集中力が高い
  • 細部まで気を配れる
  • 裏方の仕事が好き
  • 学習意欲が高い
  • 保守・管理の業務を苦に思わない

集中力が高い

バックエンドエンジニアの業務は、長時間1人でパソコンと向き合い続ける地道な作業が多くなります。作業に打ち込める集中力の高さがある人は、バックエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。

細かい作業が苦にならない

バックエンドエンジニアの仕事内容は、表には見えない部分で支える裏方的な要素も強く、小さなミスひとつがシステム障害を引き起こすため、細やかな気配りが必要になります。

地道な細かい作業が苦にならない人はバックエンドエンジニアに向いているといえるでしょう。

裏方の仕事が好き

バックエンドエンジニアはユーザーの目に見えない部分を担当します。成果物がわかりにくいため、裏方で支えるのが好きな人に向いています。

学習意欲が高い

バックエンドエンジニアに限ったことではありませんが、エンジニアは常に新しい情報をキャッチアップすることが重要です。学習意欲を持って新しい技術を習得することで、よりよい技術を提供できるようになります。

バックエンドエンジニアがきついと言われる理由

バックエンドエンジニアはきついという印象を持つ人もいると思います。

バックエンドエンジニアがなぜきついと言われるのかを解説します。

  • 求められる知識量が多い
  • ミスが許されない
  • 緊急対応をしなくてはならない
  • 技術の移り変わりが早い

求められる知識量が多い

バックエンドエンジニアは、広い業務内容に対応するために、様々な種類のプログラミング言語や、データベースに関する知識など、覚えることが多い点が理由の1つだと言えるでしょう。

バックエンドエンジニアは、サーバーのインフラ整備や、ネットワーク構築、ネットワーク管理など、他のエンジニアが担当する業務も担うことがあります。

また、バックエンドの開発にあたって、バックエンド以外の分野の知識も持っていなければ、速やかな開発は難しいでしょう。

これらのことより、バックエンドの知識に加えて、それ以外の分野の知識も必要となるため、覚えることが多い業種だと言えるでしょう。

ミスが許されない

バックエンドエンジニアの仕事はミスが許されません。

バックエンドエンジニアが担当するサーバー領域は、エラーが発生するとWebサイトが停止してしまいます。企業によってはWebサイトの停止は大きな損害につながるため、ミスが起きないように細心の注意を払わなくてはなりません。

ミスが許されないといっても、人間なのでミスは発生します。ミスが起きたときの損害の大きさや、迅速な対応を求められることから、バックエンドエンジニアはきついと言われるのです。

緊急対応をしなくてはならない

サーバートラブルなど、バックエンドで障害が発生した場合、システム復旧作業が必要となります。

システムは基本的に24時間365日、常に動いている必要があります。システムが停止するとWebサイトが動かなくなるため、緊急対応が必要です。

休日や深夜に緊急対応を要求されることもあることが、バックエンドエンジニアがきついと言われる理由です。

技術の移り変わりが早い

バックエンドエンジニアの取り扱う分野は、技術やトレンドの移り変わりが早い分野です。

近年ではクラウドサービスの普及により、クラウド分野の知識もマストになりつつあるなど、目まぐるしく移り変わる技術の習得をし続ける必要があります。

勉強の大変さが、バックエンドエンジニアはきついと言われる要因です。

バックエンドエンジニアにおすすめの資格

バックエンドエンジニアは資格が必須ではありません。しかしスキルアップや、能力の客観的証明のために資格取得は有益です。

ここではバックエンドエンジニアにおすすめの資格を紹介します。

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験
  • Oracle認定Javaプログラマ
  • Linux技術者認定試験(LinuC)
  • Ruby技術者認定試験
  • PHP技術者認定試験

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験とは、日本の情報処理技術者試験のひとつで、独立行政法人情報処理推進機構が実施している国家試験です。合格すればIT専門職として基本的な能力を有している証明になります。

同法人が実施するITパスポートは、一般社会人向けの試験なので、専門職としての知識の証明になりづらい点に注意しましょう。

応用情報技術者試験

応用情報技術者試験も、基本情報技術者と同じく、独立行政法人情報処理推進機構が実施している国家試験です。同法人が実施する「ITパスポート」「基本情報技術者試験」に次ぐ難易度で、合格すれば高度IT人材としての能力を有する証明となります。

国家資格であることから信頼性も高く、多くのIT技術者が応用情報技術者試験にチャレンジしています。IT業界のキャリアが短い人は、基本情報技術者試験から挑戦してもよいでしょう。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマは、Oracle社が実施するJavaプログラミングのスキルを認定する資格です。Javaプログラマとしての技術力を証明するものであり、世界的にも広く認知されています。

Linux技術者認定試験(LinuC)

Linuxは、サーバー、デスクトップ、組み込みシステムなど、幅広い分野で利用されているOSです。

Linux技術者認定試験(以下、LinuC)は、日本のLinuxプロフェッショナル認定機関であるLPI-Japanが提供しており、日本国内においてLinux技術者としてのスキルと知識を証明するための認定試験です。

日本国内のIT市場に特化した内容で設計されており、日本企業で求められるLinuxの知識やスキルを重視しています。

Ruby技術者認定試験

Ruby技術者認定試験は、Rubyプログラミング言語の知識と技術を評価するための認定試験です。合格することで、Rubyプログラミングにおける専門的な知識を持っていることが証明されます。

公式ガイドブックや問題集もあるため、試験勉強をすることでRubyに対する理解が深まるでしょう。

PHP技術者認定試験

PHP技術者認定試験は、PHPプログラミング言語に関する知識と技術を評価し、PHPエンジニアとしてのスキルを証明するための認定試験です。

PHP技術者認定機構(PHP技術者認定制度運営委員会)が運営しており、PHPを使用したシステム開発やWebアプリケーション開発に携わる技術者向けに設計されています。

バックエンドエンジニアが扱う機会の多いPHPについて体系的に学習できるため、PHP技術者としてのキャリアを構築するのに役立ちます。

未経験からバックエンドエンジニアになる方法

エンジニア業界は慢性的な人材不足で、バックエンドエンジニアも需要は高い状況です。

エンジニア未経験者がバックエンドエンジニアになる方法を解説します。

必要なスキルを身につける

まずは必要なスキルを身につけましょう。基本情報技術者やPHP技術者認定試験の初級など、資格勉強を通してスキルを身につける方法や、プログラミングスクールを利用してスキルを身に着ける方法があります。

ポートフォリオを作成する

ひと通りの技術を身につけたら、スキルを実践してオリジナルのWebサイトを作りましょう。そしてポートフォリオとして組み立て、転職活動の際にアピールできる形にしておきます。

求人を探す

ポートフォリオが完成したら、バックエンドエンジニアを募集している企業に応募します。

転職サイトや転職エージェントを利用し、条件に合う求人を見つけましょう。転職エージェントを活用すれば、面接対策やアピールポイントのアドバイスなどが得られます。

バックエンドエンジニアに関するよくある質問

最後に、バックエンドエンジニアに関するよくある質問について解説します。

バックエンドエンジニアのやりがいは?

バックエンドエンジニアで働くメリットややりがいは以下のとおりです。

  • 幅広い技術が身につくため、キャリアの選択肢が広がる
  • フリーランス案件が多く独立しやすい

バックエンドエンジニアの仕事がなくなるって本当?

結論からいうとバックエンドエンジニアの仕事が急になくなることはありません。

クラウドサービスやフレームワークにより自動化できる業務が増えたため、バックエンドエンジニアの仕事がなくなるのでは、といわれることもあります。確かに省力化されていますが、クライアントやフロントエンドエンジニアとのすり合わせは必要なので、バックエンドエンジニアの仕事そのものがなくなることは考えにくいでしょう。

まとめ

バックエンドエンジニアは、派手ではないかもしれませんが、Webサイトを支える重要な仕事です。「Webサイトが正常に動く」という、顧客にとっては当たり前のことを維持するために働くことは、やりがいにつながるでしょう。

コツコツ作業するのが好き、陰で物事を支えることに喜びを感じる人は、ぜひバックエンドエンジニアにチャレンジしてほしいと思います。