30代は仕事でも本格的な戦力になると同時に、子どもが産まれて家庭生活にも変化が生まれる時期でもあります。キャリアも子どもも大切にしたい人にとって、「転職」の二文字が頭をよぎることも少なくないのではないでしょうか。

この記事では、子育て世代の転職について注意点や、転職を成功させるポイントを解説します。仕事と育児の両立に悩む人はぜひご覧ください。

30代の子持ちが仕事を辞めたいと思う理由

仕事に育児に家事と、毎日目が回るように忙しく過ごしている30代の子持ちが仕事を辞めたいと思う理由を詳しくみていきましょう。

  • 育児や家事がおろそかになる
  • 疲労が溜まりすぎる
  • 給料が少ない
  • 他にやりたいことがある

育児や家事がおろそかになる

30代になると、子どもが幼稚園や小学校に上がり、赤ちゃんのときとはまた違った育児の負担が発生します。一方で、仕事も責任が伴うポジションに就くことが多く、両立が難しくなるケースは少なくありません。とくに、保育園を卒園して小学校に上がったタイミングで仕事の継続が難しくなる「小1の壁」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

子どもの成長に伴い活動範囲が広がると、習い事の送迎や子供の体調不良による急な休みなど、さまざま事態に対応せざるを得ない状況も発生します。常にマルチタスク状態となり仕事に集中できず、結果的に育児や家事がおろそかになりがちです。また、子どもとの時間が十分に取れないことに対する罪悪感も、頭を悩ませます。

疲労が溜まりすぎる

仕事と育児の両立は、想像以上に体力を消耗します。長時間労働や残業が当たり前になっている職場では、十分な睡眠時間を確保できず、慢性的な疲労に悩まされる人も少なくありません。

また、育児や家事、そして仕事と多くの役割をこなす中で、精神的なストレスも蓄積されていきます。この疲労は、身体的な不調だけでなく、イライラ感や焦燥感といった心の状態にも悪影響を及ぼし、仕事のパフォーマンス低下や人間関係のトラブルを引き起こす可能性もあります。

給料が少ない

30代は、住宅ローンや子供の教育費など、経済的な負担が大きくなる時期です。しかし、仕事と育児の両立に追われ、キャリアアップの機会を逃してしまう人も少なくありません。

その結果、収入が伸び悩んでしまい、生活が苦しいと感じる人もいます。また、仕事に対するモチベーションが低下し、より高い収入を得られる仕事を探そうとする人もいるでしょう。

他にやりたいことがある

仕事と育児に追われる毎日の中で、ふと「本当に今の仕事で良いのだろうか?」と考える人もいるのではないでしょうか。たとえば、以前から興味を持っていたことを仕事にしたい、もっと自分の時間を大切にしたいなど、さまざまな理由が考えられます。

育児をする中で、子どもと過ごす時間を増やしたいと思い、仕事の負荷を軽減するために転職を検討する人も多いです。

30代の子持ち転職の注意点

子育て世代が転職で注意すべき点について解説します。

  • 育休中の意図的な退職は控える
  • 環境が変わるタイミングでの転職は控える
  • 勢いで転職しない

育休中の意図的な退職は控える

育休中は、育休手当をもらいながら育児に専念できる貴重な期間です。しかし、育休中に意図的に退職してしまうと、周囲には育休手当目当てと思われ、非常に悪印象です。社会的にも褒められたものではなく、育休を取得する人の肩身が狭くなる要因にもなります。

育休中の退職を検討している場合は、一度会社とよく話し合い、育休終了後の勤務条件や働き方について相談してみましょう。

環境が変わるタイミングでの転職は控える

子供が小学校に上がる、転勤が決まるなど、生活環境が大きく変わるタイミングでの転職は、できるだけ避けるようにしましょう。

新しい環境に慣れるだけでも大変なのに、同時に転職活動を行うことで、心身に大きな負担がかかってしまいます。また、転職活動に十分な時間やエネルギーを割くことができず、失敗してしまう可能性も高まります。

環境が落ち着いてから、じっくり転職活動を進める方が、より良い結果につながるでしょう。

勢いで転職しない

転職を決める際は、感情的な判断ではなく、メリットとデメリットを冷静に比較検討することが大切です。

「今の環境から脱出したい」といった感情的な理由だけで転職してしまうと、後から後悔する可能性が高くなります。

転職先で本当にやりたい仕事ができるのか、自分のスキルや経験が活かせるのか、働き方や待遇は自分の希望に合っているのかなど、しっかりと確認するようにしましょう。

30代の子持ち転職を成功させるポイント

30代の子持ちが転職を成功させるには「採用されること」そして「家庭を回しつつ仕事を続けられること」の2つのことをクリアする必要があります。ここでは、子育て世代が転職を成功させるポイントを解説します。

  • 想定される質問の対策をしておく 
  • 経験や得意なことを活かせる仕事を選ぶ
  • 家族の協力体制を整えておく
  • ファミサポなど外部サービスの利用体制を整える

想定される質問の対策をしておく 

子どもが小さい30代での転職活動では、面接で子育てについて聞かれることが多くあります。想定される質問の対策を事前にしておくことで、採用率はアップするでしょう。

予想される質問の例
  • 家族のサポートはありますか?
  • 残業の対応はできますか?
  • (子どもが小さいことを受けて)仕事に影響が出る可能性はありますか?

重要なのは正直に答えることです。ワンオペ状態なのに「家族のサポートがあるので残業も大丈夫です」と答えて採用されたとしても、無理がきてしまいます。面接では、条件をすり合わせることを意識しましょう。とはいえ、要望が完璧に叶う職場はあまりないため、事前に「ここだけは譲れない」というポイントを明確にしておくとよいでしょう。

経験や得意なことを活かせる仕事を選ぶ

30代の子持ちは育児と家事で忙しく、思うようにスキルアップに時間を割けないケースが多くあります。

なるべく今までの経験を活かせる仕事や得意なことを活かせる仕事を選ぶことで、転職してもスムーズに業務を習得でき、家庭との両立がしやすくなるでしょう。

家族の協力体制を整えておく

家族がいる場合は、転職に際してきちんと話し合いをすることは必須です。転職は多かれ少なかれ負担がかかります。

「自分は大変だからパートナーはこのくらいしてくれるだろう」と希望的観測で物事を進めずに、家族内でできること・できないことを明確にしておきましょう。

ファミサポなど外部サービスの利用体制を整える

核家族が多い現代社会、夫婦だけで子育てをするのは限界があります。共働きであればなおさらです。

ファミリーサポートや民間のシッターなど、外部サービスは積極的に利用しましょう。すぐに利用する予定がなくても、情報をリサーチしておくこと、すぐに利用できるように登録をしておくことが重要です。

30代の子持ち転職におすすめの仕事

30代の子持ちが転職するのにおすすめの仕事を紹介します。

  • コールセンター
  • 一般事務
  • 医療事務
  • Webライター
  • Webデザイナー
  • Webエンジニア

コールセンター

コールセンターは、子育て中の女性に人気の職種の一つです。シフト制で働けることが多く、子供の急な病気や学校行事など、子供のスケジュールに合わせて働きやすい点が魅力です。未経験からでも始められる求人が多く、特別なスキルや資格がなくても挑戦できるのも大きなメリットです。

ただし、お客様からのクレーム対応など、精神的な負担が大きい仕事であることも事実です。事前に、どのような内容の電話を受けるのか、どのようなマナーが求められるのかなどをしっかりと確認しておくことが重要です。

一般事務

一般事務は、企業のバックオフィスで書類作成やデータ入力、電話対応などをおこなう仕事です。身体的な負荷が少なく、人気の高い職種です。

残業が少ない求人や、フレックスタイム制を導入している企業もあり、子育てと仕事を両立しやすい環境が整っている場合もあります。経験やスキルに応じて様々な仕事に携わることができ、やりがいも感じられるでしょう。

医療事務

医療事務は、病院やクリニックで受付業務やカルテ管理、会計処理などをおこなう仕事です。医療機関は女性比率が高いことから、子育て中の女性も多く、子育て世代にとって働きやすい環境が整っていることが多くなっています。

資格は必須ではありませんが、専門知識が必要なので、資格があったほうが有利でしょう。通信教育やスクールに通いながら資格を取得することも可能です。

Webライター

Webライターは、Web上に掲載される記事を作成する仕事です。具体的には企業のウェブサイトに載せるコラム記事や、商品を紹介する記事を執筆します。在宅で働くことができるため、自分のペースで仕事を進めることができます。

特別な資格は必要ありませんが、文章力や語彙力、情報収集力などが求められます。また、SEO対策やトレンドの知識なども必要となる場合があります。基本的にフリーランスで業務を請け負うことが多いため、最初のうちはまとまった収入になりにくいかもしれませんが、自分のペースで働けるのが魅力です。

Webデザイナー

Webデザイナーは、ウェブサイトのデザインやレイアウトを作成する仕事です。デザインソフトのスキルはもちろん、ユーザーが使いやすいサイトにするための知識も求められます。

未経験からでも、デザインスクールに通ったり、オンライン講座を受講したりすることで、スキルを身につけられます。

Webエンジニア

Webエンジニアは、ウェブサイトのシステム開発やプログラミングを行う仕事です。プログラミングスキルはもちろん、問題解決能力や論理的思考能力も求められます。

未経験からでも、プログラミングスクールに通ったり、独学で勉強したりすることで、スキルを身につけることができます。

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まとめ

30代の子持ちの人が転職する際は、自分のスキルや経験、生活状況に合った仕事を選ぶことが大切です。また、短期的な視点だけではなく、ライフプランやキャリア構築など長期的な視点で考えることも忘れないようにしましょう。

育児も仕事もどちらも大切です。だからこそ自分軸で考えて、後悔の少ない選択をしてほしいと思います。