SEになったものの、仕事内容が向いていなかったり、思っていた職場環境と違ったりで、SEを辞めたいと悩んでいませんか?
とくに20代だとポテンシャル採用で異業種への転職がしやすい時期なので、業種転換するなら今がチャンス、と転職を焦る気持ちもあるでしょう。
この記事では20代のSEが仕事を辞めたいと感じる理由と、退職を決意する前に知っておいてほしいことを解説します。
20代でSEを辞めたい理由
20代でSEを辞めたいと感じる理由を紹介します。自分はどれに当てはまるか、確認してみてください。
- 残業や休日出勤が多い
- 業務内容がハード
- 勉強が大変
- やりがいが持てない
- 人間関係が辛い
残業や休日出勤が多い
多くのIT企業では、納期に追われ残業や休日出勤が当たり前という職場も少なくありません。プライベートの時間も十分に取れず、心身ともに疲弊してしまう方もいるでしょう。
業務内容がハード
SEの仕事は、常に新しい技術を学び、高度なシステム開発に携わる必要があります。そのため、業務内容が難しく、スキルアップが大変だと感じる方もいるでしょう。
勉強が大変
IT業界は技術革新が激しいため、常に新しい知識を習得する必要があります。資格取得やプログラミング言語の習得など、勉強に追われてしまい、他のことに時間を使えないという方もいるでしょう。
やりがいが持てない
自分の作ったシステムが世の中に出て、多くの人に使ってもらえることは大きな喜びですが、中には、単純作業の繰り返しや、面白みのない仕事ばかりで、やりがいを感じられないという方もいるでしょう。
人間関係が辛い
職場の人間関係は、仕事のパフォーマンスに大きく影響します。上司や同僚との関係がうまくいかず、ストレスを感じている方もいるでしょう。
SEを続けたほうがよい人
SEを辞めたい気持ちが強くても、今は辛抱して続けたほうがよい人もいます。
入社して日が浅い人
SEの仕事は、経験を積むことで面白さが増す仕事です。まだ入社して日が浅い方は、もう少し経験を積んでから判断することをおすすめします。
辞めたい理由が環境にある人
今の会社やプロジェクトに不満があるという場合は、SE業務そのものではなく、環境が原因で辞めたい気持ちになっています。
SEは魅力的な仕事です。別の会社やプロジェクトに異動してSEを続けることも検討してみましょう。
SE業務が嫌いではない人
SEの仕事自体は嫌いではないけれど、今の職場に不満があるという場合は、職場変更一択です。
SEを辞めたほうがよい人
SEは将来性も高く、一般的には魅力の高い仕事です。しかし、それでもSEから距離を置いたほうがよいパターンもあります。
SE以外にやりたい仕事が明確にある人
明確な目標があり、そのためにSEの仕事をやめたいと考えている人は、思い切って転職することをおすすめします。とくにチャレンジするのに年齢制限があるような職種では、なるべく早くきましょう。
仕事は安定性や将来性で決めるものではありません。とくに20代は失敗してもやり直しが効きやすいです。自分の情熱に従って、新たなフィールドに飛び出してみましょう。
体調不良や精神的な不調がある人
無理をして働き続けることで、健康を損なう可能性もあります。まずは、自分の健康を第一に考え、休養を取ったり、治療を受けることをおすすめします。
元気になってから、SEを続けるか辞めるかを改めて判断しても遅くはありません。
退職したほうがよい職場の特徴
ここでは、むしろ退職したほうがよい職場の特徴を紹介します。
- 社員を大切にしていない
- 人手不足で労働環境が悪い
- ITゼネコンの下位にいる
社員を大切にしていない
会社の利益を優先するあまり、社員を酷使するような社風の会社は危険です。若いうちは体力で乗り切れても、30代40代と年を重ねると、しんどくなってしまいます。また、すべてではありませんが、会社の利益を最優先する会社は、給料として利益が反映されにくい傾向も。長く働いているのに見合った給料がもらえないケースも多いです。
長期的な視点で考えたときに、20代のうちに退職してより良い職場環境に移ることをおすすめします。
人手不足で労働環境が悪い
IT業界は慢性的な人手不足のため、過重労働に陥りやすいです。また、忙しさから人間関係が悪化したりハラスメントが横行するようなブラック企業も存在します。
自分のキャパシティを超えるような劣悪な労働環境の職場は退職したほうがよいでしょう。
ITゼネコンの下位にいる
ITゼネコンとは、ひとつのプロジェクトに対して元請けから下請け、孫請けと、多重構造を成している状態をいいます。
ITゼネコンの下位にいる会社では、単純でレイヤーの低い仕事しか回ってこないだけでなく、マージンが引かれた状態で取り分がまわってくるため、給料や待遇も悪くなりがちです。
できるだけ上流工程に関わっている会社への転職を目指しましょう。
SEを辞めたいときに注意するポイント
仕事が辛く辞めたい気持ちが強いときは「辞める正当な理由」を探しがちです。しかし焦って辞めると後悔することにつながりかねません。
ここではSEを辞めたいときに注意するポイントを紹介します。
- 安易にSEを辞める判断をしない
- 現実逃避になっていないか注意する
- 目的なしの転職にならないようにする
- 現在の職場で改善できないか検討する
安易にSEを辞める判断をしない
SEの仕事は、技術革新が激しいIT業界において、常に新しい知識やスキルが求められる高度な専門職です。そのため、仕事が難しいと感じたり、ストレスを感じたりすることは決して珍しいことではありません。しかし、その都度、安易に辞めるという選択肢を選ぶことは、必ずしも最善策とは言えません。
SEという仕事の魅力は、社会を大きく変えるようなシステム開発に携われることや、自分のアイデアを形にすることができることです。一時的な困難に心が折れてしまう前に、一度立ち止まって、なぜSEを辞めたいのか、本当にやりたいことは何かを深く考えてみましょう。
現実逃避になっていないか注意する
「仕事が辛いから、とりあえず今の職場から逃げ出したい」という気持ちは、誰しも一度は抱くものです。しかし、SEの仕事から逃げることは、問題から目を背けることと同じかもしれません。
もし、SEの仕事そのものよりも、人間関係や職場環境に問題があると感じているのであれば、その問題を解決するための具体的な行動を検討してみましょう。たとえば、上司や同僚に相談したり、社内の相談窓口を利用したりすることもひとつの方法です。
目的なしの転職にならないようにする
SEを辞めて別の仕事に転職する場合、ただ単に今の仕事から逃げ出すのではなく、明確な目的を持って転職活動を進めることが重要です。
転職先で何をしたいのか、どのようなキャリアを築きたいのか、自分のキャリアプランをしっかりと描き、それに合った企業を選ぶようにしましょう。安易な気持ちで転職してしまうと、また同じような悩みを抱えてしまう可能性があります。
現在の職場で改善できないか検討する
今の職場を辞める前に、まずは現在の職場で改善できる点がないか検討してみましょう。
たとえば、上司に相談して、仕事内容を見直してもらったり、新たなスキルを習得するための研修を受けてみたりすることで、思わぬ解決策が見つかるかもしれません。
他業種への転職を成功させるポイント
SEを辞める判断をしたら、転職活動に向けて動き出しましょう。ここでは、他業種への転職を成功させるポイントを紹介します。
- スキルの棚卸しをする
- 自分の得意不得意を整理する
- 転職エージェントを活用する
- 面接や履歴書では強みをアピールする
スキルの棚卸しをする
他業種への転職を考える際、まず大切なのは、これまでの経験から得たスキルを棚卸しすることです。SEとして培ってきたプログラミングスキル、問題解決能力、論理的思考力など、一見IT業界でしか活かせないと思いがちなスキルも、実は他の業種で役立つ可能性があります。
例えば、プログラミングスキルは、データ分析や業務効率化に活かすことができます。また、問題解決能力は、どの業界においても求められる汎用性の高いスキルです。
自分の得意不得意を整理する
スキルを棚卸ししたら、次は自分の得意なことと不得意なことを整理しましょう。得意なことは、転職先の仕事で活かせる強みになります。一方、不得意なことは、事前に補強しておくことで、面接での不安を解消できます。
例えば、コミュニケーション能力が得意な場合は、営業職やコンサルティング職などが向いているかもしれません。逆に、コミュニケーションが苦手であれば、専門性の高い仕事を選ぶのも1つの手です。
転職エージェントを活用する
他業種への転職は、情報収集が難しく、自分の力だけで進めるのは大変です。そこで転職エージェントを活用することをおすすめします。転職エージェントは、スキルや経験、希望条件などをヒアリングし、最適な求人を紹介してくれます。
また、履歴書や面接対策のアドバイスももらえるため、スムーズに転職活動を進めることができます。
面接や履歴書では強みをアピールする
面接や履歴書では、自分の強みを具体的にアピールすることが重要です。
たとえば、「SEとしてシステム開発に携わってきた経験から、論理的な思考力と問題解決能力を身につけました。この経験を活かして、貴社の〇〇という仕事に貢献したいと考えています」のように、具体的なエピソードを交えて説明すると、説得力が増します。
また、新しい業界に対する意欲も積極的に伝えましょう。「貴社の業界に非常に興味があり、この業界で活躍したいと考えています」など、熱意を伝えることで、採用担当者の印象に残ります。
SEから転職するときに活かせる強み
SEで培ったスキルは他職種・他業種で活かせるものが多くあります。具体例も紹介しますので、面接や履歴書の参考にしてください。
- 論理的思考力
- コミュニケーション能力
- マネジメント力
- 課題解決力
- 文章力
- プログラミングスキル
論理的思考力
SEは、複雑なシステムを設計し、問題を解決するために、論理的な思考力を常に要求されます。このスキルは、どの業界においても共通して求められる能力です。
【具体例】
データ分析::大量のデータを分析し、そこから意味のある情報を抽出し、適切な結論を導き出せる
問題解決:複雑な問題に対して、構造的に考え、最適な解決策を導き出せる
計画立案:プロジェクトを成功させるために、綿密な計画を立て、実行できる
コミュニケーション能力
チームで開発を進めるSEは、クライアントやチームメンバーとのコミュニケーション能力も重要です。
【具体例】
顧客対応:クライアントの要望を正確に理解し、それをシステムに反映させる。
チームワーク:チームメンバーと協力し、目標達成に向けて共に努力する。
プレゼンテーション:自分の考えをわかりやすく、論理的に伝えられる。
マネジメント力
プロジェクトを成功させるためには、マネジメント力も不可欠です。
【具体例】
進捗管理:プロジェクトの進捗状況を把握し、スケジュール通りに作業を進められる。
リソース管理:人材や予算などのリソースを効率的に活用できる。
リスク管理:潜在的なリスクを事前に予測し、対策を講じることができる。
課題解決力
SEは、日々様々な問題に直面し、それを解決していく必要があります。この課題解決力は、どの業界においても重宝されます。
【具体例】
問題の特定:問題の本質を正確に把握し、根本的な解決策を導き出せる。
代替案の検討:複数の解決策を検討し、最適なものを選択できる。
実行力:決められたことを迅速かつ確実に実行できる。
文章力
SEは、設計書やテストケースなど、様々な文書を作成します。この経験から、文章力も自然と身につきます。
【具体例】
技術文書の作成:専門的な知識をわかりやすく伝えることができる。
報告書の作成:結果を正確にまとめ、論理的に説明できる。
企画書の作成:新しいアイデアを具体的に提案できる。
プログラミングスキル
SEの代名詞とも言えるプログラミングスキルは、IT業界だけでなく、様々な業界で活かすことができます。
【具体例】
データ分析:データ処理ツールを作成し、効率的にデータ分析を実施できる。
業務自動化:繰り返し行う作業を自動化し、業務効率を向上させられる。
システム開発:新しいシステムを開発し、業務を革新することができる。
SEの転職にオススメの職種
SEとして培ってきたスキルは、IT業界に限らず、様々な業界で活かすことができます。ここでは、SEの経験を活かせるおすすめの職種を4つご紹介します。
- ITスキルを求める会社の事務職
- IT会社の営業職
- 社内SE
- デジタルマーケター
ITスキルを求める会社の事務職
IT企業だけでなく、多くの企業がITシステムを導入しており、その運用・管理をサポートする事務職を求めています。SE経験者は、システムの知識やトラブルシューティング能力を活かして、スムーズな業務運営に貢献することができます。
【具体的な仕事内容】
- システムのマニュアル作成
- ヘルプデスク
- IT機器の導入・設定
- データ入力・管理
【活かせるスキル】
- システムの知識
- 問題解決能力
- コミュニケーション能力
IT会社の営業職
SE経験者は、IT製品やサービスの知識が豊富であり、顧客のニーズを的確に把握することができます。また、論理的な思考力やプレゼンテーション能力も活かせるため、IT会社の営業職に適しています。
【具体的な仕事内容】
- 顧客への提案
- 契約交渉
- プロジェクト管理
【活かせるスキル】
- IT製品・サービスの知識
- 顧客対応能力
- プレゼンテーション能力
社内SE
自社でITシステムを開発・運用している企業では、社内SEを募集していることがあります。SE経験者は、自社の業務に合わせたシステムの開発・改善を行うことができます。
【具体的な仕事内容】
- 社内システムの開発・保守
- ユーザーサポート
- ITインフラの管理
【活かせるスキル】
- システム開発スキル
- 問題解決能力
- コミュニケーション能力
デジタルマーケター
Webサイトの運営やSNSマーケティングなど、デジタルマーケティングの分野では、ITの知識が求められます。SE経験者は、Webサイトの構造や仕組みを理解しており、効果的なデジタルマーケティング施策を立案できるのが強みです。
【具体的な仕事内容】
- Webサイトの企画・制作
- SEO対策
- SNSマーケティング
- データ分析
【活かせるスキル】
- Webの知識
- データ分析能力
- マーケティングの知識
よくある質問
最後にSEの離職に関するよくある質問をまとめました。
SEの離職率は?
厚生労働省が公開している令和4年雇用動向調査結果の概況によると、SEを含むエンジニアの離職率は11.9%です。 約12人に1人がエンジニアを退職していることになります。
全職種の平均離職率15.0%であることを考えると、エンジニアの離職率は低いといえるでしょう。
SEの出戻りはアリ?
結論からいうと、SEの出戻りはアリです。
他業種に転職したものの、SEとして再び働く人は多くいます。これは、SEが実力主義であること、人手不足dえあることが影響しています。
現場で通用する技術を持った人であれば、再就職は容易にできるでしょう。
まとめ
SEは社会的に需要の高い職業ですが、向き不向きもあります。安易に辞めることをオススメはしませんが、20代であればポテンシャル採用枠で異業種転職がしやすいのも事実です。SEとしてある程度の経験があれば出戻りもしやすいため、異業種にチャレンジして知見を広げるのもひとつの手かもしれません。
冷静に自分の気持ちと市場価値を判断し、できるだけ後悔のないような選択を取る努力をしましょう。エムアイエスエージェントは相談だけでも大歓迎です。お気軽にご相談ください。